そんな私のような方は、案外多いのではないでしょうか。
そろそろ住むところに目を向けてもいいのではないかと思いつつ、なかなか部屋が素敵にならない。どうしたものかと思っていたときに、『照明と家具からはじめる 北欧インテリア』に出会いました。
モダン・クラシック・ジャパンディ
けれど、いざ買おうとすると「部屋に合わなかったらどうしよう」「こんな高い家具を買って失敗したら」と不安が先立ち、結局何も買えないまま数年が過ぎました。
私のように「何から手をつけたらいいのかわからない」という人は、まず自分の好みを知ることが大事だとか。
本書では、代表的なインテリアスタイルが3つ紹介されています。
「Modern(モダン)」は、すっきりとした都会的で洗練されたスタイル。
「Classic(クラシック)」は、木の家具を使った、ぬくもりのあるスタイル。
そして今回、私が初めて知ったのは、和風とスカンジナビア(北欧)風を掛け合わせた「Japandi(ジャパンディ)」。
自然素材の素朴な質感が特徴で、ここ数年注目されているスタイルだそうです。
本書には写真がふんだんに使われているため、それぞれのスタイルの違いがイメージしやすくなっています。
失敗しない家具選びのコツは実寸型紙
「このテレビサイズなら、絶対にこちらです」
店員さんに勧められるままワンサイズ大きいものを選び、出来上がってきたものを見て唖然としました。存在感がありすぎて、部屋に合わなかったのです。
結局、キャンセル料として4万円を支払い、作り直すことになりました。
メジャーで測っただけではわからない、こうした失敗を防ぐには、新聞紙などを家具のサイズどおりに切り抜いて床に置き、動線を確認するのだとか。
プロも実践している方法だと知り、「あのとき知っていれば」と思わずにはいられませんでした。
光で暮らしにリズムを生み出す
この本は、単にインテリアや照明を紹介するのでなく、北欧の人々のように人生を豊かに生きることの大切さを教えてくれます。
中でも興味深かったのは、「光」で暮らしにリズムをつくるという考え方です。
北欧の人々は、「暗くなったら、さっさと帰る」のだそうです。
もちろん、それができる人とできない人がいるのはわかります。
私もかつては、深夜まで仕事をするのが当たり前でした。
でも今は、仕事部屋に照明がないので、強制終了しています(笑)。
というのも、何度も照明を見に行くうちに、どれを選んだらいいのかわからなくなってしまったのです。
そんなときは、「PACDR(パクダー)の五灯式」という照明スタイルがおすすめとのこと。
「PACDR」とは、5種類の光の頭文字で――
P……空間に吊るす「ペンダントライト」
A……空間の一部を照らす「アクセントライト」
C……ろうそくの炎のような「キャンドルライト」
D……天井に埋め込まれた「ダウンライト」
R……鏡の反射などを利用する「リフレクションライト」
これらをいくつか重ねることで、光と影が生まれ、奥行きのある空間ができるそうです。
雑誌で見ていた“おしゃれな部屋”は、こうした照明の重ね方によって作られていたのだと、今回あらためて知ることができました。
そもそも、一体どこに行けば素敵な家具に出会えるのか……。これは長年の悩みでした。
巻末には「北欧家具・照明に出会える SHOP LIST」も掲載されています。
予算はひとまず忘れて、美術館に行く気持ちで見に行くことが大切だというので、まずは目を肥やすところから始めたいと思います。
コージーコーナーで豊かな時間を
さらに、肘当てと同じ色の木枠の小さな油絵を後ろの壁に飾っただけで、すっかりコージーコーナーに。これはうれしい発見です。
慌てて家具や照明を買わなくても、ほんの少しのことで暮らしは変えられる──そんなことに気づかされました。
この本は、北欧の照明と家具を通して、自分の暮らしとどう向き合い、どう楽しみながら生きていくのかまで、やさしく教えてくれる一冊だと思いました。







