一緒に住んだりとかってナシですか?
だけどここに、バラバラの価値観を持ち寄って一緒に暮らすことを決めた2人がいる。『メイク・ディア・ホーム』の蜂矢小晴と熊田大和だ。なんだか、こっちまでドギマギするような空気さえ漂っている。
さかのぼること1ヵ月。それぞれ別のインテリア系企業に新卒で入社した2人は「両社1名ずつのペアになり、会社が用意した物件に住み込んで、自分の住みたい部屋を2人でコーディネートする」という研修を受けることに。物件の採寸や家具選び……やりがいを感じるどころか、1人でイライラしている蜂矢だ。
バルセロナチェアに憧れ、「家は自分を表現するもの」と考える蜂矢には、熊田の家具選びの基準にはポリシーを感じられない。
そんなある日、蜂矢は熊田が思いのほかしっかりした“芯”を持つと知る。偏見と対話の少なさを反省した蜂矢は、2人の目指すものが両方ある「俺たちの部屋」を作ろうと持ちかける。
インテリアコーディネーター見習い男子2人が、「家」という空間を通じて、人の心の奥深くに触れる本作『メイク・ディア・ホーム』。2人が織りなす化学反応と、実用的なインテリア知識が融合して、なんだか自分の“宝石箱”も見直してみたくなる。
だから一緒にやりたいんだ
それでも、オーダーに応えるべくロジカルにおしゃれで実用的な美しい部屋を作ろうとしているときには、こんな熊田の言葉に素直に耳を傾けるようになる。
本作の魅力は、インテリアを通じて人の心に寄りそう姿勢が描かれていること。そばにいる人との「文化の違い」をすり合わせるには、一見価値のないものに思える相手の「宝物」に目を向けることが大事なのだと、相談者の笑顔や、だんだん柔らかくなる蜂矢の雰囲気が教えてくれる。
実用的なインテリア解決法が具体的に描かれているのはお仕事漫画ならではの楽しさだ。
気にしてるのは俺だけ……?







