芸能界最大の首領(ドン)・周防郁雄(すほういくお)氏が筆者に語った言葉だ。こういうの、とはインタビュー取材を指す。
バーニングプロダクション創業者の周防氏は、普段ほとんど表舞台に出ることはない。B系と呼ばれる系列事務所に君臨し、芸能マスコミの担当記者(B担)を使って世論を誘導する──そんなイメージで語られがちな周防氏の「素顔」に筆者は迫っていく。
圧巻は、日本最大級の芸能プロ・アミューズの大里洋吉社長について語るシーン。「はっきりと言っておかないといけないのは、アミューズはぼくが作った会社だということ」と始まり、大里氏の不義理を詰(なじ)る。そして「クレームがついたら、ぼくが一緒にアミューズまで行きますよ」とまで言う。
本書には、これまで取材に応じてこなかった首領たちが周防氏のほかにも次々と実名で登場する。必読です。
──企画部 山中武史