365日、「コンビニ飯」でも痩せられる
運動する時間がなかなか取れない私にとって「ダイエットは運動1割、食事9割」は希望を感じる言葉です。でも、食事を整えることは意外に大変。バランスよく食材を買いそろえるのも、献立を考えるのも面倒。コンビニごはんで済ませてしまう日も少なくありません。食事でダイエットって、もしや難しい……?
そんなことはありません。34歳のコンビニオーナー・TaTaさんは、お弁当や総菜、冷凍食品といった「コンビニ飯」で120kg→57kg、計63kgの大幅ダイエットを成功させています。それも「コンビニ飯“も”食べる」なんてレベルではありません。
1日3食、365日コンビニの廃棄弁当でも-63kgできて皮余りなしなんです
『筋トレなし! 自炊より断然痩せる! 神やせ 3食コンビニ 7日間ダイエット』は、「夜6時以降食べない」「自己流糖質制限」など、さまざまなダイエットにトライしたTaTaさんがたどり着いた「1日3食コンビニダイエット」の本。その方法は「マネして食べる」だけ!
「コンビニの食事はカロリーが高く太りやすい」と思われがちですが、「栄養成分表示」に注目すれば、実はコンビニ飯はダイエットメニューの宝庫だと気づくでしょう。
コンビニ飯を食べて太る理由も、痩せる理由も、この本がすべて教えてくれます。
思い込みをリセット
さまざまなダイエットを経て、科学的に正しいダイエットを学んだTaTaさんが気付いたのは、栄養バランスの大切さ。
世間では糖質ゼロ、脂質ゼロなどのダイエットが流行っていますが、不必要な栄養素はなく、ダイエットは3大栄養素であるタンパク質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)の摂取バランスがカギだと知ったのです。
本書において、平均的な体格の女性が減量を目指す場合の、一日の栄養素の目安となる設定数値はこのような内訳です。
しかし、自炊メニューや外食のPFCバランスを正確に割り出すには、すべての材料を把握する必要があり、とても手間がかかります。
コンビニ飯は栄養成分表示が正確で、内容量も決まっています。栄養成分表示を確認しながらメニューを組めば、適正なカロリーでPFCバランスを整えることができるといいます。自炊にありがちな「少し作りすぎたけど食べちゃおう」という落とし穴もないですよね。
「なるほど、コンビニ飯にはそういうメリットがあるのか」と思っていると、「痩せるメニュー」への思い込みも、ガツンと修正されます。たとえば一見ヘルシーなこのメニュー。TaTaさんが以前のダイエットで食べていたものです。
揚げ物や肉はないし、納豆や豆腐、海藻類などヘルシーなアイテムが目立ちます。
そしてこちらは、コンビニ店長であるTaTaさんが把握する売れ筋商品です。おにぎりやサラダ、野菜も入ったミックスサンドはヘルシーなイメージがあり、女性の人気も高いメニューだといいます。
しかし、これらはダイエットに関しては「NGメニュー」なのです。先ほどの「設定数値」のページと比較すると、「F」や「C」がかなり多いのが分かるでしょうか。
一方で、太るイメージの強いお菓子や総菜パンの中にも、ダイエットの観点で見ると優秀なものもあることもわかります。「体に良さそうなメニュー」と、「実際に体に負担のないメニュー」の違いを見抜く、正しい知識を身につけられます。
マネしてこの通りに食べるだけ
では、実際に食べていいのはどんなメニューかというと……。
こちらは朝食メニューの一例です。意外としっかり食べられるうえに、デザートもOKなんです。ほんのり甘いパンとミネストローネの組み合わせは満足感がありそう。夜はこんな感じです。さっぱり系の組み合わせですが、味付けや食感のバリエーションが多く、こちらも食べ応えがあるでしょう。飽きた時や、同じ商品が手に入らない時の置き換えメニューがあるのもうれしい。
各ページの左上にある果物のイラストは、本書におけるもう一つのカギ・遺伝子タイプ検査による分類です。この検査では、主に「自分が何を食べたら太るのか」を知ることができます。
(1)糖質OK・脂質NGの「洋梨型」、(2)筋肉量が少ないため一度太ると痩せにくく、高タンパク+軽度の糖質制限が必要な「バナナ型」、(3)脂質OK・糖質NGの「りんご型」の3タイプのうち、自分がどのタイプか分かります。
遺伝子検査は数千円でできますが、本書には検査をしなくても自分に合う食べ方を割り出すコツも書かれていますよ。
私は以前に受けた検査で「りんご型」と診断されました。確かに、脂質の多い焼肉や揚げ物では太らないのに、少し主食や甘いものの量が増えるとてきめんに体重が増えた経験があります。
そんなりんご型の設定数値はこんな感じ。洋梨タイプのほぼ倍の脂質を摂れるけれど、炭水化物はかなり控えめです。自ずと、選ぶべき商品も変わってきます。
脂質多めのツナやたんぱく源のゆで卵にビスクが加わると、かなり腹持ちが良いです。栄養バランスが整うと、空腹を感じにくく、おやつが欲しくなりません。自然と、一日の糖質を控えることにつながっていると感じます。ほかのタイプの方も、マネして本書の通りに食べるだけで、辛い空腹感のないダイエットができるのではないかと感じます。
さらに、栄養成分チェックを習慣づけたくなる、こんなコラムも。
ほぼ同じに見える餃子でも、こんな差が。「冷凍と冷蔵」「皮の分厚さ」「具材の脂質量の違い」など。見落としがちでも、チリツモで大きな差になります。「頑張っているのに痩せない」を防ぐためにも、巻末の成分表示とともに頭に入れておきたいポイントです。
自炊しなくても、カロリー計算しなくても、マネしてこの通りに食べるだけで体調を崩さず皮余りもなく痩せていく。
この本は、コンビニオーナーで、かつ様々なダイエットの知識を持つTaTaさんだから編み出せる「確実に痩せるための知識」が詰まった一冊です。
レビュアー
ガジェットと犬と編み物が好きなライター。読書は旅だと思ってます。
X(旧twitter):@752019