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2024.12.07

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「祖父は日本初の、ろう美容師です」孫娘の若手作家がたどる、実話に基づく物語

泣けるだけじゃない、心地よくて尊いストーリーです

東京藝術大学出身で、『このミステリーがすごい!』大賞を受賞して作家デビューをした一色さゆりさん。その経歴から、アート・ミステリーのジャンルで主に活躍されてきました。そこへこの、実話を基にした感動作の誕生。打ち合わせの合間の雑談がご執筆のきっかけでした。一色さんのお祖父さまは、日本で最初にできた聾学校の理髪科を卒業されて理髪店を開業した方だったのです。本書では、「日本初のろう理容師」の半生を孫娘の若手作家が、取材を重ねて小説にしていくという展開で、親子三代にわたる意思の疎通と繫がり、祖父を支えた人たちの姿などが描かれています。

知っているつもりでいても、「音のない世界」のことを本当はまったく知らないのだという事実を、この作品は教えてくれます。感動するだけでなく、何だか少し優しくなれたような気がきっとするはずです。

──文芸第二出版部 永露竜二
一色さゆり(いっしきさゆり)

1988年、京都府生まれ。東京藝術大学美術学部芸術学科卒。香港中文大学大学院修了。
2015年、『神の値段』で第14回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、翌年作家デビューを果たす。
主な著書に『ピカソになれない私たち』、『コンサバター 大英博物館の天才修復士』からつづく「コンサバター」シリーズ、『光をえがく人』『カンヴァスの恋人たち』など。
近著に『ユリイカの宝箱 アートの島と秘密の鍵』などがある。

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