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2024.10.09

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ガザ地区で生まれ育ったパレスチナ人女性が、自分をモデルに描いた絵本

14歳の時の実体験をもとに創作

作者マラク・マタールさんは1999年生まれ。パレスチナ・ガザ地区で育ちました。2014年、51日間にわたるイスラエル軍のガザ侵攻で家に閉じこもることを余儀なくされますが、絵を描くことで恐怖をまぎらわし、将来の希望を見出していった自身の実体験を描いたのが絵本『おばあちゃんの白い鳥』です。

マラクさんは注目の若手画家として精力的に作品を発表していますが、今回の絵本のタッチはそれとは違い、まるで子どもが描いたかのようです。「私の中の子どもに、生の感情のまま、自由に描いてもらいました」と彼女は語っています。

子どもの頃のマラクさんはまた、アラビア語に翻訳された「キャプテン翼」「名探偵コナン」といったテレビアニメを兄弟たちと楽しんでいたそうです。

「桜の花や、豊かな建築物……。日本を訪れるのは夢のひとつでした。私の絵本が日本で出版され、日本の読者とつながることは、この上ない喜びです」(マラクさん)

ガザはいま、当時とは比較にならないほどひどい状況です。そこにはかつてのマラクさんのような、ふつうの子どもたちが多く暮らしているということを、あらためて思い起こさせられます。

──児童図書編集チーム 塩見 亮
マラク・マタール
1999年生まれ。パレスチナ・ガザ地区出身の画家。13歳で絵を描き始め、SNSを通じて作品を世界に発信する。その才能が認められ、経済的に自立するとともに、世界各国で個展やグループ展を開催。トルコ・イスタンブールのアイディン大学を卒業し、現在イギリス・ロンドン在住。

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