地球以外にも「生命の星」は存在するのか? この問いに対して、宇宙物理学者である著者は、現代の宇宙論、そして、有機物にはじまる生命の合成過程をもとに考察していきます。
近年の系外惑星探査では、太陽系外にも地球のような惑星がたくさん存在することがわかっています。また、「はやぶさ2」の持ち帰った試料からは、生命の材料となるアミノ酸なども見つかりました。アミノ酸、RNA、DNAの合成──そして生命の誕生。138億年前に起こったインフレーション、ビッグバンからの元素合成や銀河、恒星系の形成。それらの確率を見積もりながら掛け合わせたとき、その答えは……!?
「量子力学」に金字塔を打ち立てたシュレーディンガー、ビッグバン理論の提唱者・ガモフ、そのガモフと対立した天文学者・ホイル。物理学史に名を残す彼らも、実は生命について研究をしています。この究極の問いの先に、物理学者は何を見ていたのでしょうか。
──学芸第二出版部 柴崎淑郎
レビュアー
学芸第二出版部