『ちいかわ こうさくドリル』を初めて手にしたとき、なんだかわからないけれどワクワクしました。わたくし、このドリルの対象年齢である4、5、6歳より一桁多い、いい歳の大人ですが(笑)。
しかもこのワクワクは、実際に工作を始めるとさらに増し、楽しくてたまらなくなってしまいました!!
【ちいかわの仲間がいっぱい・こうさくシール】
まず何が楽しいって、表紙をめくってすぐに出てくる「こうさくシール」。
思わずスケジュール帳に貼りたくなりましたが、これらは後で工作に使うので我慢、我慢。
【なかよしネックレスは、メビウスの帯だった】
このドリルで作る工作は、全部で18種類。どれが1番作りたいかな?と、ページを行ったり来たりするだけでも楽しい。
やはり最初は腕慣らし!?とばかりに、1番目に出てくる「なかよしネックレス」を作ることに。
真っ直ぐに切るだけなので、はさみに慣れていない小さなお子さんにはピッタリ。
これは楽勝だな~と思ったのですが、「おうちの方へ」という説明書きに「メビウスの帯の不思議な性質をお楽しみください」とあり、メビウスの帯って何?となりました。
メビウスの帯とは、180度ひねった輪のことで、ドイツの数学者メビウスが発見しました。
と言われてもなんのこっちゃ?なのですが、実際に「なかよしネックレス」を作ってみたら、手品で見たことがある!!と思いました。二つに切ったはずなのに、一つの繋がった輪っかになっていた、というやつです。
これはお子さんに手品として見せてから、メビウスの帯について説明してあげて欲しいなと思いました。
ちなみにこのメビウスの帯の応用でできたのが、カセットテープ。これにより長時間の録音が可能になったのだとか。
さすが、『ちいかわ こうさくドリル』、あなどれないぞ!!
【くるくるプロペラ】
もうひとつ、単純なのに新たな発見があって面白かったのが、「くるくるプロペラ」。
一見、とても簡単に作れそうです。そして本当に簡単に作れました。
正直、大人の私からしたらちょっと物足りないのですが、完成したプロペラを高いところから落としてみたら、面白くて何度も何度も繰り返してしまいました。こんな簡単なものが、こんなに面白いなんて!!
くるくる回すコツは、羽のカーブのつけ具合。
いっぱい曲げた方がもっと回るのかな?と思って曲げたらそうでもなく、曲げすぎるとストンと落ちてしまいました。
空気抵抗のせいで……という大人の思考は置いといて、「羽のカーブをもっと曲げたらどうなるかな」と予想を立てながらやったら、きっと子供も喜ぶだろうと思いました。
はっきり言って子供にだけやらせておくのは勿体ない。大人だって十分に癒されて楽しいです。
前半はこのように簡単なものが多く、後半になるにつれ、はさみの使い方や、のりを使った貼り合わせがちょっぴり難しくなるのですが、「つくりかた」が載っているので安心です。
とにかく、どのページをめくっても、ちいかわと仲間たちが、色々な表情で出てくるので可愛いし、明るいパステルカラーに心がなごみます。
『ちいかわ こうさくドリル』は、ただ工作を作るだけではなく、いろいろな楽しみ方ができます。きっと、会話も弾むと思うので、ぜひお子さんと一緒に作ってみてください。
レビュアー
「関口宏の東京フレンドパーク2」「王様のブランチ」など、バラエティ、ドキュメンタリー、情報番組など多数の番組に放送作家として携わり、ライターとしても雑誌等に執筆。今までにインタビューした有名人は1500人以上。また、京都造形芸術大学非常勤講師として「脚本制作」「ストーリー制作」を担当。東京都千代田区、豊島区、埼玉県志木市主催「小説講座」「コラム講座」講師。雑誌『公募ガイド』「超初心者向け小説講座」(通信教育)講師。現在も、九段生涯学習館で小説サークルを主宰。
公式HPはこちら⇒www.jplanet.jp