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2023.06.21

レビュー

【レシピ公開】人気ヴィーガン店「アインソフ」の体に・心に・環境にやさしいスイーツ

体に・心に・環境にやさしいスイーツレシピを初公開!

世界中の人に愛されている老舗ヴィーガンレストラン&パティスリー「AIN SOPH.(アインソフ)」。ファンも多く、東京・銀座をはじめとする4店舗を展開し、年間15万人が訪れる人気店です。

肉や魚介類はもちろん、卵や乳製品、はちみつ、ゼラチンといった動物性食品を使わないヴィーガン食のレシピ。
本書『卵も乳製品も使わない!「アインソフ」が教えるヴィーガンスイーツ』は、パンケーキやプリン、ティラミスといった「アインソフ」定番の人気ヴィーガンスイーツや、お店で人気のお菓子を家庭で楽しめるオリジナルレシピで紹介する1冊です。

「アインソフ」オーナーの白井さんは、ヴィーガンスイーツへの思いをこう語っています。

最近は、残念なことにアレルギーの原因となる食材が増えてきています。また、さまざまな理由から動物性のものや精製されたものを口にしないという人もいます。そんなみなさんの、「何かを気にすることなく、気軽においしいものが食べたい!」にお応えするレシピを厳選しました。ごほうびスイーツはストレスフリーで楽しみましょう。

お菓子のレシピには必ずといいほど使われている、卵やバターを使わないパンケーキも、アインソフにかかればこの通り。


写真でもしっかり伝わるふわふわ感は

ベーキングパウダーとてんさい糖のおかげ。
ディッシャーを使えば、さらに生地に厚みを持たせることができます。

白井さんが試行錯誤を重ねたこの本のレシピは、材料の制限で出てしまいがちな味や食感の違いを別の材料で補い、「卵や乳製品を使わないのに、こんなにおいしく作れるの?」と驚くものばかり。材料も工程もシンプルなのに、おいしくヴィーガン食を楽しめる37レシピが収録されています。

例えば、プリンに濃厚な風味を出すためにはある野菜が、またティラミスには「チーズ感」を出すある調味料が、それぞれ使われています。これが本当に意外に感じる「隠し味」なのですが、出来上がりは確かに「ふつうのスイーツそのもの」の味。たっぷりのプロセス写真や、専門的な表現がなく要点が絞られた説明もわかりやすく、ヴィーガンだけでなく、お菓子作りになじみのない人も楽しめる1冊になっています。

ホイップもバターもヴィーガンで! 初公開のグルテンフリーメニューも

卵、乳製品を使わないだけでなく、小麦に含まれるたんぱく質・グルテンを含まない「グルテンフリー」メニューも、この本のために初公開。



卵もバターも小麦粉も使わなくても、おいしいケーキは作れる! 米粉ならではの味わいとしっとり感が生きたケーキは、小麦粉アレルギーの人も安心して楽しめる一品です。



カシューナッツとチョコチップのクッキーも、グルテンフリーメニューです。「アインソフ」でも高い人気を誇るクッキー各種。この本でも様々なタイプのクッキーレシピを紹介してくれていますが、その半数近くがグルテンフリーなのも驚きです。



パフェだって、自宅で作って食べられる! フルーツにヴィーガンホイップクリームとグラノーラを加えたパフェは、食感の楽しさがポイント。盛り付けの美しさも参考になります。



じゅわっとおいしそうなフレンチトーストには、バターも添えて……。メニューに彩りを添えるヴィーガンバターやホイップクリームも、この本のレシピで手作りすることができます。乳製品からできているものより少しさっぱりしているけれど、その分罪悪感なくたっぷりトッピングできます。植物性だからなのか、家庭での保存期間がやや長いのも嬉しいポイントです。

卵や乳製品を使っていないとは信じられない、驚きの食感&おいしさを堪能できるこの本のレシピ。その秘密は、ヴィーガンならではの素材のチョイスにありました。



「食材に制限が多く、ハードルが高い」と思われがちなヴィーガン食ですが、「よく使う食材」は思いのほか、手に入りやすいものが多いことが分かるのではないでしょうか。近場のスーパーで手に入る食材で、思い立った時にすぐ作れる……。「ヴィーガン」は決して敷居の高いものではなく、このように気軽に楽しめるものなのか、と気付かされました。

ヴィーガンレシピはもちろん、お菓子作りも初めてという初心者に向けた下準備のコツも、惜しみなく公開してくれるのがこの本の素敵なところです。特に重要なのが「最初にレシピを読む」こと。

ヴィーガンスイーツは普通のお菓子作りと違う点があり、たとえば「豆腐を1晩水切りしておく」など下準備に時間がかかるものも。材料を揃え、段取りを考えてからお菓子作りをスタートするとスムーズ。

各レシピを熟読すると、使える材料に制限があったとしても、素材の取り扱いや組み合わせ次第で、狙い通りのおいしさを表現できることがよくわかります。例えば、寒天の持つザクっとした食感と、ゼラチンで作る「ぷるっ、もちっ」とした食感は違います。しかし、寒天にあるものを加えることでもちもちのババロアも作れるし、卵でできたプリンのむっちり感も表現できる。そんなことを知れるのも、この本のレシピの楽しさです。

卵や乳製品を使わなくても、ケーキも、焼き菓子も、アイスクリームだって作れます。ヴィーガン食は「一部の人のもの」ではありません。健康を考えながら、おいしいものを食べたい。そんな人は一読の価値ありです!

レビュアー

中野亜希

ガジェットと犬と編み物が好きなライター。読書は旅だと思ってます。
twitter:@752019

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