旅するフォトグラファー・新美敬子さんの猫フォトを眺めていると、あることに気づきます。──絵になる猫は、窓辺にいる! 新美さんは言います。「猫が窓辺でなんか言っているな~と近づいて撮ると、猫と仲良くなれ、飼い主さんとも話ができる。窓辺で光を感じながら過ごしている猫の瞳を見ていると、その家や街の物語が始まっていくんです」。ポルトガルのエヴォラでは、ママ猫を撮っていると、「ウチの猫、きれいでしょ」と子猫、ウサギ、カメを次々と飼い主さんが出してきたとか。
このオールカラー文庫のフォトエッセイには、しぜんな仕草の猫たちと旅の物語がいっぱい詰まっています。
そんな新美さんもコロナ禍で3年も海外に行けなくて、近くの台湾を皮切りに、マルタ、アムステルダム、サルデーニャ島で出会った猫たちと早く再会したいと、うずうずしているそうです。
この本で、ぜひお気に入りの「まどねこ」を見つけてください。
──講談社文庫出版部 野村吉克
レビュアー
講談社文庫出版部