絵本の場合、文章と絵による共作はあるのですが、一冊の絵本に二人の絵描きさんが関わるというケースは滅多にありません。そんなレアケースが、この作品です。しかもその二人の絵描きが、宇野亞喜良さんと田島征三さんとなれば、これはもう事件!
ともにイラストレーション、グラフィックデザインの世界を昭和の時代から牽引してきたレジェンド。そんな二人が誰もやらないようなことに挑んだのです。現在、宇野さん88歳、田島さん82歳、ともに傘寿を超えておられます。自分の世界をすでに確立されておられるのですから、わざわざこのような挑戦をしなくても、と思うのですが、お二人ともこの刺激的な試みを真剣に楽しんでおられました。
絵本の内容は、子猫が迷子になって母猫の待つ家に戻るまでの冒険譚!
宇野さんの描く可愛い猫と、田島さんの描く「ある生き物」の迫力をぜひお楽しみください!
──幼児図書編集チーム 新井公之
レビュアー
幼児図書編集チーム