「バランスよく食べて、やせる」
よく聞く言葉だ。「バランスよく食べたほうがいいですよ、そのほうが体はきれいになりますよ」。そうですよね、そうなんです、わかってるんです。バランスよく食べるのと、バランス悪く食べるのだったら、そりゃ前者のほうがいい。身をもって知っている。実際に偏った食事が続くと、ハイカロリーでも低カロリーでも数日で心身ともにドヨンとなるからだ。でも難しいんだよなあ……。
そして、この「バランスよく食べる」という考え方のひとつとして「PFCバランス」という言葉を最近よく耳にする。どういうものなのか?
PFCは、ヘルシーにやせるために欠かせない3大栄養素。P=たんぱく質、F=脂質、C=炭水化物です。普段の食生活では崩れがちなPFCバランスを、それぞれの目標値に近づけ、整えることで、健康で理想的な体に近づいてゆきます。
たしかに炭水化物や脂質を摂らないと肌がカサカサになる。PFCバランスが整った食事、大賛成! とはいえやっぱり難しそう。だから『PFCバランスを整えるだけ! やせるレシピ』で紹介されるレシピはとても参考になる。
これダイエットメニューなんだ!? 食べ応えじゅうぶんで見た目もかわいい。右下の円グラフがこのレシピのPFC量を表している。すべてのレシピについてます。
本書で設定されているPFCバランスは、たんぱく質が3割、脂質が5割、炭水化物が2割。こちらは人気ダイエットメディア「24/7DIETER」で考案されたバランスだ。
この数値は、他と比べるとゆるやかですが、このバランスこそ長く続けられる24/7DIETER独自のメソッドなのです。このバランスさえ守れば、肉や魚などをしっかり食べられ、脂質に神経質にならず、さらに主食などの糖質も極端に制限する必要はありません。
体にやさしそう。ということで、本書が提唱するPFCバランスを私の体重や基礎代謝にあてはめてみた。こちらのページにそって計算する。
以下のようになった。
白ごはん1膳(約150g)の炭水化物は約54gなので、そこまでガチガチの糖質制限ではない。ジムで運動する日は目安の最大量まで食べて、じっと家から出ない日はミニマムを目指せばいい。
お肉も野菜もたくさん食べられる
実際に作ってみた。まず「もやしとキムチののり炒め」。
ちょうどおいしい焼きのりをたくさん買ったところだったし、野菜をもりもり食べたかったのだ。
作り方はこちら。
かんたん。ちなみに、焼きのりの分量に書かれている「全形」とは縦21cm横19cmの大きなサイズ。
小鉢に軽く盛っただけでも食べ応えがあって満足度高し。レギュラー入り。
こっちもおいしかった。「オクラと小ネギの牛肉巻き」。
小ねぎや粉山椒がアクセントになっているので、みりんが控えめでも味がボケない。しかも、本書で紹介されるお料理はどれも作りおき可能だ。
これは作った翌日に撮った写真です。お弁当にもよさそう。そしてこちらも野菜がたくさん食べられる。小ねぎを1束まるまる使うのだ。(ほんとに? と思いながら作った。良い感じにまとまりました)
自炊派ダイエッターの味方! 冷凍作りおき
私は、外食するときは、なんでも気にせずのびのびたくさん食べたい。だから、そのぶん自炊ができるときは必ず自炊する……つもりなのだけど、毎日途切れることなくスーパーに通うわけじゃないし、「明日お弁当つくりたい!」なんて前日の夜中に思い立つこともある。その場合、冷凍の作りおきが便利だ。本書には冷凍作りおきのレシピや野菜の保存についてもたくさん紹介されている。
実は冷凍のお肉があんまり好きではなかったのだけど、下味をつければおいしくいただける。最近はゆずこしょうもチューブタイプが売っているし下ごしらえも簡単だ。しかも、こういった冷凍の作りおきは小分けにすればとても扱いやすい。(そして食べすぎない。これ大事!)
前日の夜から冷蔵庫に出して解凍して、翌朝さっと焼けばお弁当の主役になる。「買い出しできてなかったから明日のランチはお弁当じゃなく外食」なんてことがなくなる。
毎日の生活習慣を大きく崩さずにダイエットしたい。無理な糖質制限はずっとなんて続かないし、だとするとPFCバランスを整えることが鍵になる。バランスよく、無理なく、そしてサボることなく、ごはんを作れる良い本だ。
レビュアー
元ゲームプランナーのライター。旅行とランジェリーとaiboを最優先に生活しています。