■藤野嘉子さんの60歳からは「小さくする」暮らしでも削らないもの
60代になって、住み慣れたマンションを手放し、広さ半分以下のマンションに引っ越した料理研究家の藤野嘉子さん。自分らしく、気持ちのいい、暮らし方のヒントを『かんたん年金家計簿2020』のコラムで紹介しています。
あえて食費は削らない
生活を小さくしたことで、お金の使い方にも以前より気を配れるようになりましたが、わが家にとって一番難しいのが食費の節約です。家族全員、美味しいものが大好きですから、食費まで削ってしまうと、途端にテンションが下がって楽しくありません。ほかのところで月々にかかる費用を減らせていますから、その分の恩恵として食事はなるべく良質なもの、美味しいものを選ぶようにしています。
自分の美味を見つける
食費は節約しないと決めたわが家ですが、よく探せば、何も高級でなくても美味しいものはたくさんあります。そのひとつが取り寄せです。生産者から旬に直接取り寄せるのは、桃やりんご。缶詰やちりめんじゃこ、山椒なども好みの合うところから取り寄せています。都内にある都道府県のアンテナショップもおすすめです。土地の名産やお米、お茶、油揚げなどを買ってきては家族で楽しんでいます。
食事は難しく考えない
食欲がない日や体調がすぐれない日もあるシニア世代にとっては、毎日きちんと3食とることが正解というわけでもないようです。わが家では、冷蔵庫のあり合わせで簡単に済ませることも増えました。育ち盛りの子どもがいるとそうはいきませんが、お腹がすいていなければ、無理して食べようとしなくてもいいのです。ごはん作りを難しく考える必要がないのは、シニア生活のいいところだと思います。