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2019.08.27

レビュー

家事を減らすとみんなが幸せ!「しないこと」でムダがすっきりする暮らし方

不要な家事をしないことで「理想とする暮らし」を手に入れよう!

4歳の娘が「やりなさい」って言っていることをボケーっとしてやらなかったり、2歳の息子がイヤイヤ期に突入して「いかにママを困らせてやろうか」としているように見えてしまったり、私が忙しく動いている横で夫が寝ながらスマホ見ていたりすると、
「うわああああ!」と腹の底から怒りの気持ちがわいてきたりするんですよね。
「ねえねえ、いい加減にしないとキレるよ。ママキレるよ……!」と。
たまにほんとにキレます。そして自己嫌悪の繰り返しです。

でも誰が悪いわけでもないんです。一番悪くない、とばっちりをくらっているのが子どもたち。
何が悪いかと考えると、「余裕がない」のがいけない。
心を亡くすと書いて「忙」だなんて本当によくできた漢字ですよね。
ほどよい忙しさは活力を生みますが、心を見失うほどの忙しさは害しかないよなと思うワーキングマザーでございます。

自身の健康も害すし、子どもの心にまで悪影響を及ぼしては、「子どもの将来のために働かなきゃ! 子どものために家事を手抜きせずやってお手本にならなくちゃ!」などという言葉も矛盾。本末転倒です。
それのうえ老後に2000万円じゃ足りないだの足りるだの、そんな問題も出てきたりして、駆け抜けるような日常を止めることはできません。

この忙しさと疲労とイライラをどうにかしなきゃ……!! と思っていた矢先に天からの授け物のように届いた本書。
神様はお見通しですね!

まず「はじめに」を読んで溢れ出す共感。
著者の石阪さんが家事の仕組みを見直すきっかけになったのは、中学生だった息子さんが入院したときのこと。

「イキイキと仕事や育児に取り組む」
「疲れない身体を手に入れる」
「家族と毎日笑って過ごす」

そんな自分の理想とする暮らしに気づいた石阪さん。

片づけることは「見た目をきれいにすることが目的ではない」と、はっきり気づいたのもこのときです。何よりも「理想の生活を手に入れるために片づけたい」という動機が必要だと。

理想とする暮らしは、必要のない家事をやめることで、すぐに手に入ります。

本書は家事の「すべきことリスト」ではありません。
家事の「しないこと」を誰でもできる簡単なものを厳選してリストアップしています。
ではどんな家事が不要なのか、具体的に見ていきましょう。

完璧主義をやめて、ニコニコ元気な毎日に!

本書は「キッチン」「掃除」「洗濯」「日用品」「習慣」の5つに分けて、しないことが挙げられています。
自他ともに認めるズボラな私、「キッチン」「掃除」「洗濯」の7割くらいは既にやっていませんでした(笑)。

例えばキッチンは
1.レシピを見て作らない
2.「がっつり作りおき」はしない
3.調味料はストックしない
4.洗いモノが増える調理をしない
5.専用鍋や便利グッズを使わない
6.買い物に毎日行かない
7.キッチンの「3点セット」を使わない
……こんな感じで13項目が挙げられています。

気になる項目もありますよね。
「便利グッズを使わない?」とか「作り置きした方が平日楽じゃない?」とか。
どんな理論でそう言っているのかは、ぜひ本書を読んで確かめてください。

そして何よりこの本の肝は、5章の「習慣のしないことリスト」にあると感じました!
上記のキッチン・掃除・洗濯関係はズボラな人は自然にできてしまっていることもあるのですが、習慣というのは生まれ持っての性格や、親から叩き込まれた習性・クセだったりするので、なかなか直せません。
直す直さない以前に、自分のクセだということにすら気づいていないことがほとんどです。
そこに気づかせてくれました! 目から鱗。
例えば、

・バッグを床に置かない(=帰宅後、すぐにリビングに行かない)

わかりすぎる。
バッグの中がいつも汚いのも、リビングが荒れがちなのも、このせいか! と思い知らされました。

・「お下がり」をしない

これも痛いところをつかれました。下の子に着せようとか、いつかフリマアプリで売ろうとか、誰かにあげようとか、そんなこんなで子ども服が溢れかえっています。猛省。確かにあれらが減ったらストレスもかなり減ります。

・SNSはなるべく見ない

そうそう、わかっているんですよ……。その時間で子どもと向き合ったらどれだけ生きた時間になるかということを。これも猛省です。

そしてとても大切なこと。
・ひとりでためこまない
・完璧主義にならない

実は片付けられない人の多くが完璧主義なんだそうです。イメージする最終形が完璧すぎて何から手を付けていいかわからなくなる。なるほど。最初から完璧にやる必要はないんですよね。

本書を手に、ぜひできる些細なことから始めてみませんか。
家事とストレスは最小限に、そしてほどほどにゆるい、笑顔の日常が世の中のお母さんたちに訪れますように!

レビュアー

野本紗紀恵 イメージ
野本紗紀恵

一級建築士でありながらイラストレーター・占い師・芸能・各種バイトなど、職歴がおかしい1978年千葉県生まれ。趣味は音楽・絵画・書道・舞台などの芸術全般。某高IQ団体会員。今一番面白いことは子育て。

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