■美智子さまとほほえましい家族の写真
平成も残すところ、あと少しとなりました。美智子さまは2019年に私たちもまだ見ぬ上皇后というお立場になられます。凛とした美しさとふるまい、温かい家族を築かれてきた美智子さま。ミッチーブームを巻き起こした1960年代から1970年代の若き日のお写真が、講談社写真部に多数所蔵されていました。写真からあらためて振り返る美智子さまのあの日、あのとき、そしてほほえましい家族の姿……。写真集『美智子さま あの日 あのとき』(監修 渡邉みどり)からご紹介します。
「あたたかいホームが欲しい」という夢を叶える
戦前の天皇家では、子どもは両親の手元から離して育てる習慣がありました。親元にいては甘やかされて、将来国政を誤る恐れがあるというのです。皇太子さまはこのしきたりにより、満3歳3ヵ月でご両親やご兄弟のもとを離れました。宮中に帰りたいとも言わず、ひとりで砂遊びをしている皇太子さまを見て、ご養育係は「本当にお気の毒さまだと思いました」とのちに語っています。
それだけに、皇太子さまの「あたたかいホームがほしい」という願いは切実なものでした。
そして、その皇太子さまの夢は美智子さまの夢になりました。やがて3人のお子さまに恵まれ、おふたりはこの夢を叶えられたのです。 (ご成婚当時から美智子さまの取材を続けてこられた皇室ジャーナリストの渡邉みどり氏のコラムから)
ジャーナリスト、文化学園大学客員教授。昭和9年(1934年)、東京都生まれ。早稲田大学卒業後、日本テレビ放送網入社2年目で皇太子のご成婚を、総責任者として昭和天皇崩御番組を報道したほか「がんばれ太・平・洋ー三つ子15年の成長記録」で日本民間放送連盟テレビ社会部門最優秀賞受賞。著書『美智子さま 美しきひと』(いきいき)、『美智子さま マナーとお言葉の流儀』(こう書房)『とっておきの美智子さま 「平凡」が見た若き日の素顔』(マガジンハウス)など多数。
『美智子さま あの日 あのとき』のほか、料理、美容・健康、ファッション情報など講談社くらしの本からの記事はこちらからも読むことができます。