■生活研究家 阿部絢子さんの快適に過ごすためのルール
片づけの問題はあふれたモノを減らす、選別することではない。片づけることは、モノが多くても自分が快適だと思う暮らしの仕組みを作ることにある、というのは生活研究家の阿部絢子さん。『かんたん年金家計ノート2019』のコラムでもそのルールを紹介しています。
快適さは面積に比例
床に物が置かれると、快適性は失われます。そう、快適性は床面積に比例しているのです。床に、テーブル、サイドボード、ソファーなどが置かれれば、床面積の半分以上が塞がれ、空間は狭く感じられることに。反対に、テーブルと椅子だけなら、広々とした空間が得られます。床面積を広くすることは、快適さに繋がります。快適に過ごしたければ50%のフリー面積を確保しましょう。
引っ越しのつもりで片づけを
引っ越しの気構えで片づけをしたい。引っ越しは新たな暮らしの環境を作ること。これまで忘れていた、不使用だった、押し込めていた家のモノを見直す作業です。新しい暮らしには要・不要の判断が必要。常に新しい環境にしないと、モノが床面積を占領しかねません。モノで溢れ、足の踏み場もないと、部屋で転ぶ、つまづく、落とす、滑るなどの危険が発生してしまいます。引っ越しの気構えの片づけは定期的に。
身につけたい片づけルール
片づけに大切なのは、我が家の暮らしに対する目線。どんな暮らしをしたいか。収納場所とモノの量のバランスが肝心です。モノの量は暮らしに大きく関わります。片づけの基本は、どの必要品で暮らしたいかを考えていく作業。
例えば、料理に必要な鍋なら、大きさ、個数、材質をどう揃えるか、その理由は何か? 我が家の暮らしのモノと必要量を知り、収納場所とのバランスを取っていくのが片づけルールです。
一生手放さないモノ・リスト
手放したくないモノ・リストを持っているでしょうか? これまでに衝撃を受けた、どうしても手放せないモノ。いままで考えてこなかったけれど、モノを整理すると、必ず手放せないモノは何? と考えさせられます。いつも手元に置き、指針としているモノがあることは、生き方にも繋がります。
私の一生手放せないモノは2冊の本。この本が、生き方の道標となってくれました。これからの導きともなるでしょう。
生活研究家・消費生活アドバイザー。新潟県生まれ。共立薬科大学卒業。洗剤メーカー勤務を経て、百貨店消費生活アドバイザーとして30年間勤め、現在に至る。料理や家事など生活先般にわたる豊富な知識と合理的なアドバイスで、出版、講演など幅広く活躍中。著書に『案ずるより片づけよう 住まいの老い支度』(講談社)、『老いのシンプルひとり暮らし』(大和書房)など多数。
・『案ずるより、片づけよう 住まいの老い支度』(講談社)
『講談社版 2019お料理家計簿』のほか、料理、美容・健康、ファッション情報など講談社くらしの本からの記事はこちらからも読むことができます。