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2017.11.24

特集

講談社の「汚文字」部長がやってみた。今さら「美文字」に変えられるか?

美文字研究家・青山浩之先生の新刊発売を記念した特別企画、美文字チャレンジ。字が汚いことが唯一の欠点である講談社販売局の佐野部長が、美文字を目指し、4週にわたって特訓することに。その様子をレポートします!

担:このたびは、『DVD付き 大人の美文字が書ける本』刊行記念、美文字チャレンジ企画にご協力いただき、ありがとうございます。

佐:協力するのは全然いいんですけど……、どうして俺が指名されたわけ?

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担:この企画を思いついて、社内のいろんな人に誰がいいか聞いて回ったんですね、そうしたら、佐野さんがいい、佐野さんにやってもらうべき、という声が非常に多くて。

佐:誰がそんなこと言ったの?

担:個人情報なのでお伝えできませんが、とにかく、

「佐野さんはすごく仕事ができるのに、字が汚い」とか、

「佐野部長は、頼りになるし、やさしいし、上司として最高だけど、字がひどい。うちの4歳の息子より汚い」とか、

「佐野くんは頭もキレるし、部下からも取引先からも信頼されているけど、とにかく字が汚くて困る」

という声が寄せられました。

佐:褒(ほ)められてるのか、貶(けな)されてるのか……。

担:両方だと思います。

佐:でもさ、俺ってそんなに字が汚い?

担:先日、事前に手書き文字を書いていただきましたよね。

  • 画像02-1
    デスクまわりはきれい。
  • 画像02-2

担:これって、本気で書かれてますよね?

佐:本気だよ。(怒る)

担:確かに、想像していたよりもきれいというか……。何て書いてあるかは読めますよね。
でも、一文字一文字単独で見てみるとなんていう字かちょっと……。

拝啓の「拝」とよろしくの「よ」

拝啓の「拝」とよろしくの「よ」

佐:……。

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担:実はこの手書き文字を、『DVD付き 大人の美文字が書ける本』の著者で、美文字王子こと青山浩之先生に見ていただいたんです。

佐:そうなんだ。

担:そうしたら、「佐野さんは、センスはある」とのことでした。たとえば、この筆の流れ。

「拝」の字の直しをトリミングした画像

青山先生が青ペンで分析。

担:こういうのはよくわかっていて書いていらっしゃる、とのこと。だから、少しだけ意識を変えて練習をしてもらえば、すぐに上達されますよ、とおっしゃっていました。

佐:へぇ〜。センスはあるんだね。素質もあると。

担:はい。ですので、これから1ヵ月、DVDBOOKを使って練習していただき、その上達される過程を記事にさせていただければと思っております。

佐野さんが上達しなければ、この本の売り文句、「字が変わる」というのは嘘だということになってしまい、売り上げにかかわります。ですので、販売局の部長として、責任を持って、さぼらずにやっていただきたいと思います。

ピタ・カク・ピトの法則

担:まず、佐野さんに一番最初に覚えていただきたいのは、「ピタ・カク・ピトの法則」 です。

佐:はい。

担:佐野さんの字って、急いで書いたように、というか、はっきり言いまして雑に見えますよね。

佐:はっきり言うね。

担:すみません。それで、この「ピタ・カク・ピト」の法則というのは、そんな雑な字がいっきに丁寧に書いたように見える、魔法のような法則なんです。

まず、「ピタ」ですが、横画の終わりをピタっと止める。 ほら、佐野さんのこの「拝」という字、横画を止めずにさっと流していますよね。

佐:あ、本当だ。

佐野さんが書いた「拝」比較

「ピタ」を意識しただけでこんなに変わった!

担:これをピタっと止めるだけで、ぐんと美しく書けるようになるんです。さあ、やってみてください。

佐野さんが書いた「拝」の字クローズアップ

担:次に、「カク」。これは「折れ」のところで、一度ペン先を止めてきちっと折れる。ほらここ、この「話」という字の口の部分、折れずに丸くなっていますよね。ここをきっちり折るだけで、大人ぽい字になります。

佐:なるほど、全然気にしていなかった。

佐野さんが書いた「話」比較

口の角を「カク」っと折ると、こんなに大人っぽい字に!

担:そして最後に「ピト」ですが、これは線と線をピトっとつける。くっつけるべきところが離れていると、雑に見えるだけでなく、別の字に読み間違えられてしまう可能性もあるんです。
例えば「佐」の字。「エ」の部分が離れていますよね。にんべん(人偏)がつながっているのも気になりますが……。 では、この「ピタ・カク・ピト」を意識して、字を書いてみてください。

佐野さんの書いている様子

佐:おお、なんかすごく大人っぽくて丁寧な字になった!!

担:ですよね? 簡単なんですよ。

佐野さんが書いた「佐」比較

「ピト」っとくっつけたことで、きちんとした印象に!

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(周りの人)え、すごいですね、佐野さん、きれいになってる!

では、これから1週間、この本で練習してください。 それから、普段の文字でも「ピタ・カク・ピト」を意識して書いてくださいね。

手指のストレッチ

担:青山先生がもうひとつ大事なことをおっしゃっていました。それは佐野さんは右側を省略してしまうクセがあるということ。なぜかというと、指が右側に動かしづらいからです。
左側はわりときちんと書いていらっしゃるのですが、右側はとにかく省略が多い。

例えば「拝」という字、横画が1本少ないですよね。

佐:本当だ。確かに右側って書きにくいから雑になっちゃうんだよな……。

担:なので、指を楽に動かせるようなストレッチをやってほしい、とのことでした。
DVDにも収録していますが、この「鳩ストレッチ」。鳩が歩くときに首を前後に出す動きと似ているので、このようなネーミングをつけたのですが、これをやることで、かなりペン先をスムーズに動かせるようになりますので、これを常にやってみてください。

鳩ストレッチ

手首は動かさず、ペンを持った3本の指を前後に動かす「鳩ストレッチ」。

佐:わかりました。

担:では、来週。練習の成果を楽しみにしております。

佐:頑張ります。

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