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2017.12.22

インタビュー

「“汚文字部長”で恥ずかしくないの?」彼が“大人の美文字”になった日

美文字研究家・青山浩之先生の新刊発売を記念した特別企画、美文字チャレンジ。第3回までで、漢字やひらがなルールをマスターした佐野部長。お祝いをかねて、最終回は、青山先生から直々に筆ペンの書き方を習います。

佐:はじめまして、佐野です。お会いできて光栄です。

青:青山です。いや〜、はじめてお会いする感じがしませんね。連載を拝見していたので、ずっと前から知っているような気がします。

佐:僕もです。ずっとDVDで先生の講義を見ていましたから。

青:第3回まで、本当によくがんばりました。成長が素晴らしいです!
連載の題字も、佐野さんが書かれたのですよね。3回分を並べてみるだけでも、成長ぶりがよくわかります。

第1回目の題字。

第1回目の題字。雑に書いたように見える。

第2回目の題字。

第2回目の題字。形が整い、一気に丁寧な字に変身。

第3回目の題字。

第3回目の題字。「払い」などの線が美しくなり、ひらがなも大人っぽい字に!

第1回〜第3回の佐

第1回〜第3回のな

佐:ピタカクピトを教わってから、文字に対する意識が180度変わりました。どうしたら丁寧に、きれいに見える字が書けるか……そのコツがつかめた気がします。
そしてなにより鳩ストレッチ。ほら、こんなに速く出来るようになりましたよ!

割り箸で高速鳩ストレッチを見せる佐野さん。

割り箸で超高速鳩ストレッチを見せる佐野さん。

担:割り箸でやらなくても……。

青:おお、すごい! 動きがなめらかですね! メリハリもあって素晴らしい。
佐野さんは、今まであまり指を使って書いていなかったのだと思います。それがこの鳩ストレッチによって、指が自由に動くようになった。だからこんなに急速に字が上達されたんですね。

佐:確かに書くのが楽になりました。それから、鳩ストレッチをすると、自然とペンの持ち方がよくなりますね。だから、字を書く前には必ずやるようにしていました。

青:字って、形がよくなれば美しくなると思われがちですが、実はそうではないんです。「書く過程」がよくなることで、字は上手くなる。とにかく動作が大事なんです。
佐野さんはまずこの動作を学んでいただいたうえで、字の形を整えるための要素、例えば横画よりも反りや曲がりを長く書くなどを、知識として学んでいただいたので、いい字になっていったんです。

担:筆圧も一生懸命練習していましたよね、佐野さん。

青:以前の佐野さんが書かれていた線は、どこが最初でどこが終わりかが伝わってこなかった。つまり、線の存在自体がボケていた。でも筆圧を練習されたことによって、かなりメリハリがつきましたね。
動作がよくなり、線がよくなり、そしてそれがきちっと組み立てられた美しい文字になっていった。素晴らしいです。

(佐野さんと先生のやりとり写真)

筆ペンの持ち方、書き方

担:さて、そろそろ年賀状を書く時期ですし、青山先生、佐野さんに筆ペンの書き方をご指導いただけませんでしょうか?

佐:えっ、もうビール飲んじゃったよ……。

担:大丈夫です、まだ1杯目だし。先生から直接指導を受けられるなんてそんな贅沢なことめったにないのですから、つべこべ言わずにやってください。

青:このテーブル、ちょっと狭いですけどやってみましょうか。

佐:筆ペンなんて無理だよ……お葬式で名前を書く時、いつもプルプルして、ミミズみたいな字になってるし。

青:大丈夫。ペンの持ち方を改善し、筆圧も上手に入れられるようになった佐野さんなら、筆ペンもすぐに上手になりますよ。
まず、ペンと筆ペンの持ち方の違いは、軸の角度です。筆ペンは、ペンより軸を少し立てて持ちます。なぜなら筆ペンを寝せて書くと、線が太くなってしまうから。キリッとした細い線を書くためにも、やや立てて持ってください。

ほら、こうやって……。(先生が試しに書く)

  • (p92の写真)
  • (先生が書いているところの写真)

筆ペンの持ち方と書き方を先生が解説。

佐・担:わーっ、美しい!

青:持ち方以外は、ペンと筆ペンはほとんど一緒ですね。さあ、佐野さんもやってみてください。

  • (筆ペンで書く佐野さん)
  • (筆ペンで書く佐野さん)

嫌だ嫌だと抵抗しながらも、筆ペンで書いてみる佐野さん。

青:おーっ、スゴイじゃないですか!

担:きれい!!

佐:いや、まだまだ。俺としては納得がいかないな〜。でも、昔よりはよく書けているかも。

青:ペンで持ち方と動作を改善したからこそ、筆ペンでもこんなに書けるようになったのですね。

担:“あの佐野さん”が筆ペンでこんな線を引けるようになったなんて……部下たちが見たら、感動で泣きますよ。
では……ここで恒例の「題字」。今回は筆ペンで書いてください。

佐:えーっ!! ムリムリ。

担:最終回の題字は、やっぱり筆ペンですよ。清書はまた明日改めて書いていただきますから、とりあえず先生の前で書いてみてください。

(頑張って書いてみる佐野さん)

(しぶしぶ書く佐野さん)

担:先生、いかがでしょう?

青:基本的にこういう場では添削はしないんですが、ここまで成長した佐野さんのために、こうしたらもっと美しくなるという「気を付けるポイント」を朱筆で入れてみますね。明日からの練習に生かしてください。

先生が筆ペンで書いているところと、それを見る佐野さん。

大きさのバランスなどを含め、先生が朱筆でアドバイス。花丸ももらう。

佐:わー! 花丸。やった〜!

青:ひらがなも、上手ですよ。カーブや結びのルールをきちんと勉強してくださったからですね。

担:1回でこんなに書けるなんてすごいですよ、佐野さん!

青:今はまだ書きにくいかもしれませんが、そのうち体が覚えていきますから。力の抜き方など、上手にできるようになってきますよ。

佐:これからは普段から筆ペンで書いてみようかな。

担:さて佐野さん、この美文字チャレンジ、いかがでしたでしょうか? 同じ部署の方から、佐野さんが毎日朝練していたって伺いましたよ!(半笑い)

佐:そりゃ、やるからには責任もって一生懸命やりますよ。最初は抵抗があったけど、字が上手く書けるようになって、やってよかったかな〜。青山先生にもお会いできたし。まあ、楽しかったのかな。

青:あの佐野部長もハマった美文字、ですね!

担:先生、実は佐野さんが主役で、この本『大人の美文字が書ける本』のプロモーション動画を作ったんです。

青:佐野さん、すごい。主演まで! さすが部長!

佐:あの……今さらなんですけど……僕、部長じゃなくて局次長なんです。

担:えっ! 部長だと思い込んでいました。もっと偉かったんですね……。

──佐野局次長の美文字修行は続く。

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