美文字研究家・青山浩之先生の新刊発売を記念した特別企画、美文字チャレンジ。 第1回、第2回で丁寧に見える字のポイントや、漢字の書き方ルールを学んだ佐野部長。DVDを見ながら1週間練習した成果は? 第3回目は、書く頻度がもっとも高い「ひらがな」をマスターします!
DVDを見ながら1週間練習した成果。
佐:見て、こんなに宿題頑張っちゃったよ!
担:おお、素晴らしい。DVDに出てくるお絵描きトレーニングもしてくださったのですね。
佐:もちろん。DVD、最初から見たからね。
あ、そうだ。DVDの中で、ペンの持ち方と姿勢が詳しく紹介されていたんだけど、自分の字が下手な原因は、持ち方と姿勢にもあるんだな、と思った。
担:よくご自分で気づかれましたね。偉いです。
佐:体が斜めになっているから、文も斜めになるんだよね。最初に書いた文って、右に曲がってきているもんね。
すべての行が、きれいに斜めに曲がっている。
佐:それから、手を固定する位置なんだけど、今までは小指の側面までべったりと机にくっつけていたのね。だから字の右側が上手く書けないんだな、って。本当は、手首寄りの部分だけでいいんだね。
下から見た写真。小指までべったりつけるのはNG。手首寄りの部分だけをつけると、指が動かしやすくなる。
佐:字の右側を省略して雑に書いてしまうのは、自分の性格が雑なのではなくて、持ち方が原因だってことがわかってよかったよ。
担:確かに佐野さん、机まわりはきれいですし、身なりもぴちっとしていますし、几帳面な感じがしますよね。見た目もちょっと気難しそうですし。
佐:気難しいは余計です。それから筆圧の練習。やっているうちに「払い」や「反り」や「曲がり」が上手く書けるようになってきて、気分がよかった! 最初は細いペンでやっていたんだけど、ちょっとやわらかい、太めのペンのほうが書きやすかったな。
担:次回(最終回)は、青山先生が筆ペンの指導をしてくださるので、今度は筆ペンでも筆圧を練習してみてください。きっと楽しいですよ!
ひらがな① 右回りのルール
担:第3回目の今日は、手書きの中でももっとも書く頻度が高い「ひらがな」を練習しましょう! さあ、まずは「の」という字を書いてみてください。
佐:なんだか、小学生になった気分だけど、まあいいや。
担:うーん、ちょっと書くスピードが速いですね。佐野さん、車は運転しますか? 車でカーブを曲がるときって、スピードを落としますよね? ペンも同じです。スピードが速いと、上手く曲がれず、思いもよらない方向にペン先が走ってしまうんですよ。だから、曲線の部分はブレーキを踏むイメージで、ゆっくりと書いてください。
ゆっくり書くと、思った方向にペン先が進みます。
ひらがな② 猫のお尻ルール
担:次に、猫のお尻ルールです。
佐:変な名前のルールですね。
担:佐野さんの「あ」という字はカーブが下に下がっていますよね。このカーブを、猫がぐーっ伸びをしたときのお尻の形のようにちょっと右上がりにすると、かっこいい「あ」になるんです。「あ」の他にも、「お」や「わ」、「め」、「ぬ」もこのルールが当てはまります。
カーブを右上がりにすると、大人っぽい美文字になる。
ひらがな③ 折れのルール
担:ひらがなは、やわらかな曲線が多いので、なめらかに書くと美しく見えるのですが、ただ、その中でも「折れ」るところはきっちり「カク」っと「折る」と、メリハリのある字になります。佐野さんの字、例えば「て」や「ろ」は、角が丸くなっていてだらしない字に見えますので、気を付けて書いてください。
佐:なるほど、ひらがなもメリハリが大事なのね。「カク」は、「ピタ・カク・ピト」で相当練習して、かなり得意になってきているから、すぐにできるはず!
Beforeの「て」は数字の2、「ろ」は数字の3にも読める。折れるところをしっかり折ったら、きちんとした文字に変身!
ひらがな④ へ結び・く結びのルール
担:さて、ひらがなの最後のルールです。ひらがなには、「ま」や「む」など、クルッとまるめる「結び」部分がありますよね。この結びの形を上手に書くコツがあるんです。まず、「ま」や「よ」のような形が横長の結び。これは、ひらがなの「へ」を書くように結びます。さあ、やってみてください。
佐:へぇ〜、いつも成り行きでくるっと丸めてたよ! 角をつくるといいんだね。
結びに2ヵ所角をつけて「へ」の形をつくると、美しい字に。
担:次に、「す」や「む」のような縦長の結び。これは、「く」という字を下から上へ書くように結びます。そうすると、きれいな三角形の結びができますよ。
佐:下から「く」か、どれどれ……。お、上手にできた!
間の抜けた「す」が、大人っぽい字に変わった!
担:おお、あっという間に上手になりましたね。なんだかすぐできちゃったので、ちょっとつまらないです。
佐:やった〜! 終わった〜!!
解放されて、はしゃぐ佐野さん。
担:では、宿題としてこのひらがなのページ、全部やっておいてください。
佐:……はい。
担:来週は青山先生の筆ペンレッスンです。年賀状に筆ペンで美文字が書けるように、しっかり習ってくださいね。