抱えた痛みを、後悔を、なかったことにしますか?
シリーズ累計38万部突破! 『幻想郵便局』待望の続刊!
作者からのメッセージ
『幻想郵便局』のヒロイン、安倍アズサが、帰ってきました。
『幻想温泉郷』のはじまりです。 このたびも登天郵便局の人たちに仕事を丸投げされて、アズサは“罪を洗い流す温泉”というものを探します。これを見つけ出さないと、あの世とこの世を結ぶ登天郵便局が取りつぶされるかもしれないのですから大変です。だけど、肝心の登天郵便局の面々はといえば……?
勤めていた会社がなくなって、いざ専業作家に──それにしても心細くて、自分の精神的な居場所を求めて書き始めたのが『幻想シリーズ』でした。怖いんだけど、とぼけていて、でもただ者ではないキャラクターたちとともに過ごしてきた本シリーズも、はや5作目。今回は、舞台を1作目の登天郵便局にもどして、思いっきり楽しんで書きました。
小説を読んでも読まなくても、人生は厳しくて、現実はまったなしです。でも、やっぱりページをめくればいつもの仲間が待っている。そんな物語に仕上がっていたら、嬉しいです。どうか、よろしければ、アズサといっしょにナゾの温泉を探してみてください。
堀川アサコ:1964年、青森県生まれ。2006年『闇鏡』で第18回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。主著に「幻想シリーズ」の『幻想郵便局』『幻想映画館』『幻想日記店』『幻想探偵社』、「たましくるシリーズ」の『たましくる―イタコ千歳のあやかし事件帖』『これはこの世のことならず』、ノンシリーズに『大奥の座敷童子』『小さいおじさん』『三人の大叔母と幽霊屋敷』『おちゃっぴい』などがある。