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2016.11.13

特集

のぶみ最高傑作『ママがおばけになっちゃった!』53万部の感動レター

2015年7月に発売され、初版4000部だった『ママがおばけになっちゃった!』。1年後の2016年7月に発売された続編と合わせると、なんとシリーズ累計53万部を達成! まさに「おばけな」スピードで多くの人の手に取られ広まっていった本書がどのように読まれているのか、読者の方から寄せられたコメントと共に紹介します。

「ママがおばけになっちゃった!」は、どんなふうに読まれたか!?

【事実その1】初版4000部が、1年で100倍に!

絵本業界では、初版は4000〜7000部程度。1年で1万部を突破するとヒット、5万部なら大ヒットといわれます。『ママがおばけになっちゃった!』の初版は2015年7月で4000部からのスタートでした。これがネット上で話題となり、テレビなどで取り上げられたことから、2016年11月現在、16刷 41万部。じつに1年で100倍!となったのです。

絵本は、ヒットすると長い年月売れ続け、大きな部数になるのが特徴と言われてきました。例えば、講談社を代表する大ロングセラー絵本『100万回生きたねこ』(佐野洋子作)は1977年10月初版5000部、2016年6月現在、111刷 218万部(日本国内のみ、関連本含まず)となっています。

全世界でシリーズ累計4000万部を売り上げている翻訳絵本『にじいろのさかな』(マーカス・フィスター作 谷川俊太郎訳)は、1995年10月初版2万部、2016年6月現在は27刷78万部(単巻・日本国内のみ、関連本含まず)。このように部数で見ると『ママがおばけになっちゃった!』よりたくさん売れている絵本はいっぱいあります。しかし『100万回生きたねこ』が40万部突破したのは、刊行14年後の1991年。『にじいろのさかな』も40万部突破したのは2001年。9年かかっているのです。大ヒットしたミリオンセラー絵本と比べても「おばけな」スピードで支持が広がった絵本であることがわかると思います。

2016年7月13日に発売された「さよなら ママがおばけになっちゃった!」の1コマ

【事実その2】大反響&賛否両論! Amazonランキング大賞2015 絵本・児童書部門1位

インターネットで『ママがおばけになっちゃった!』についてつぶやかれているデータを分析するとはっきりとした傾向が見られます。子育て世代に圧倒的に支持されており、また大学生などの若年独身層からも、肯定的なつぶやきがされています。しかし、それとは逆に否定的な書き込みをされている方もいます。Amazonでのレビューでは、431の書き込みのうち星5つが269、星1つが93と両極端です(2016/11/8現在)。

講談社に寄せられている読者アンケートでは全く違う特徴が見られます。アンケートを書いて送ってくださるわけですから、好意的な意見が多いのは当然ですが、とくに幼い頃に親を亡くした方、子育て中に伴侶を亡くした方からのお手紙が胸を打ちます。

読者の方からのコメント集

【30代・女性】
3年前に母が亡くなって、本当に悲しかったです。そのあと、息子が生まれた今、自分自身もいつか死ぬことに対して深く考えるようになりました。この表紙をみて、いつか、子どもには、死に対する考え方をもってもらい、生きるつらさをのりこえながら、幸せに生きてほしいなと思いました。ずっとずっと泣けていて、1才の子に涙をふいてもらいました。

【50代・男性】
この本は感動というより私の実体験みたいなものです。妻は亡くなっておばけになって、「最後までうそついてごめんね」と病院で泣きながらささやいていたこと、子どもが成長し「成人式おめでとう(この姿を見ながら)いちばん見たかったのおかあさんでしょう」といいながら泣いたり……。そしてこの絵本を本屋で読みながら泣いていたりと、本の中のかんたろうくんは私自身のような気がしてならないのです。妻のことは20年以上たってもけっして忘れることができません。(胆のうガンでした、享年32)

【30代・女性】
本屋さんでたまたま目につき購入しました。うちはパパがいません。子供はパパが亡くなったことを知っていても泣かずに元気にふるまってくれます。逆にかなしみをがまんしている様に見える時があるのですが、私自身どうしてあげれば良いのか悩んでいました。その時ちょうどこの本と出会い「死んでもパパは楽しく過ごしてるんだねえ」と亡くなったことの悲しみを少しでも軽くしてあげれた気がしました。

【70代・女性】
母親というものは、自分がどんな状態にあっても子供の事を思うものですネ。47才になった息子が3児の親であっても、病むと気になるものです。私も母と別れて32年になりますがこんな風に現れて欲しいとまだ願います。誰かの詩に「父や母 よも散りしとは思ふまじ みたまかへるか ゆめの腕に」とありましたが常にそう思っています。

【80代・男性】

老妻から「ご覧になりますか」と手渡された絵本のタイトルにひかれ、ページを捲って懐かしんだ。私が幼稚園時代、母は本屋さんから講談社の絵本を月々注文し、店の主人は自転車の荷台に篭を付け、毎月発行の絵本を配達していた。桃太郎や一寸法師など、思い出せば懐かしい。縁側で読み聞かせをする母の膝に寄りかかり至福の世界に浸った。その母は6才の私を残して突然他界した。以来、母をしのんでは本の虫になった。私の母はおばけになって姿を見せてくれなかったが、母の膝が懐かしい。

【40代・女性】
お母さんが亡くなった話なのにコミカルに描かれていたので、娘と2人で笑いころげてしまいました。でも、お母さんが息子さんが大好きで気にかけている所がよく伝わってきました。自分が子どもの時にこの本に出会えていたら自分の母親が亡くなった時にもっと心が軽くなれたのになと思いました。

【70代・女性】
私は息子がおばけになったのですが、おきかえて感じるところがありました。若いお母さん方が番組の中で涙しておりました。年老いても共感できることがあり購入しました。

※掲載のコメントは原文ママです。

2冊それぞれに、それぞれのメッセージを感じられる「ママがおばけになっちゃった!」シリーズ

「ママがおばけになっちゃった!」 公式Webサイト

著者からのメッセージや関連商品(グッズ)の紹介はもちろん、イベント・メディア情報などは公式Webサイトから。

公式Webサイト http://mamaobake.com

のぶみ イメージ
のぶみ

1978年、東京都生まれ。絵本作家。「ぼく、仮面ライダーになる!」シリーズ(講談社)や、「しんかんくん」シリーズ(あかね書房)など160冊以上の絵本作品を発表。『ママがおばけになっちゃった!』(講談社)は41万部をこえるベストセラーに。NHK「おかあさんといっしょ」で、「よわむしモンスターズ」を制作。NHK「みいつけた!」では「おててえほん」のアニメーションを担当。内閣府「子ども・子育て支援新制度」(すくすくジャパン!)シンボルマークを手がけるなど、幅広く活躍。Twitter, Facebookで情報を発信し、積極的にファンと交流をしている。

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