尽きない親の不安への確かな処方箋
「わが子は、将来きちんと自立して社会生活を送ることができるようになるのだろうか?」
「わが子の特性ゆえに、なにか危険な目に遭うことはないだろうか?」
本書は、そんな親の不安を解消する “手がかり”になることを目指して書かれている。
まず目指してほしい大切な目標を2つ提案させてください。ひとつは、「子どもが安心して過ごせる生活環境をつくること」です。とくに家庭や教室を、子どもにとって居心地のよい場、〈信頼できる大人に見守られている〉と感じられる場にしてほしいと願います。もうひとつは、「自信を持って社会へと出ていけるように、準備していくこと」です。具体的には、家庭や教室などで「自尊感情」(第1章を参照)を育みながら、社会で暮らす「生活者」としての実践力を身につけてもらえるよう努めることです。
自尊感情を育てるペアレント・トレーニング
親が子どもに指示を出すときは、苛立ちや怒りといった感情を抑え、穏やかに(C:Calm)、子どもに近づいて(C:Close)、落ち着いた静かな声で(Q:Quiet)、わかりやすい指示を出します。3つの頭文字をとって「CCQ」と呼ばれるこの工夫は、ペアトレの基本です。
もちろん、どんな親でも最初から完璧にはできない。でも、理想形を目指す意識を持ち続ける。今、その入り口に立っている親御さんには、この本の要点ごとにまとめられている「✕やめておこう」という項目だけでも守るといいのではないかと思う。
さらに本書では、「好ましい行動」を増やす(第2章)、家庭や学校での日常生活を整える(第3章)、社会のなかでできることを増やす(第4章)、性被害から子どもを守る(第5章)と、環境を広げながら子どもの「できる!」を増やす方法が示される。そのなかで、スマホやタブレット、パソコンといったデジタルデバイスを有効に使って、子どもを導く方法がさまざま紹介されている。発達障害を抱える子どもに限らず、“デジタルデバイスをいかに使わせるか?”は悩ましい問題だけれど、管理・規制で縛るのではなく、前向きに使っていく姿勢は「なるほど」と思わせるところが多かった。是非、参考にされたし。








