運動より、「高たんぱく×低脂質」で脳がよろこぶ食事
つまり、ペタンとしたお腹を手に入れるには、とにもかくにも食事のコントロールが一番大切。 ただ「毎日ブロッコリーとゆで卵とサラダチキン」なんて生活は、私にはできない。たぶん2日で降参だ。ということで『運動0でお腹が凹む! 日体大教授が教える「脂肪燃焼」食堂』を紹介したい。低脂肪かつ満足度の高い食事を、毎日きちんと楽しめるレシピ本だ。日常生活で一食か二食でも低脂質なメニューを取り入れて、それを継続できれば、やがて体は応えてくれる。
監修は“バズーカ岡田”こと岡田隆さん。日本体育大学教授で、世界トップクラスのボディビルダーで、2012年からは柔道オリンピックの指導者としても活躍する。そして、生物学にもとづいたダイエットを解説する著作や動画を世にたくさん出してきた身体づくりのスペシャリストだ。
本書はダイエットを扱う本なのに「人間は何を『ウマい』と思うのか」から話がスタートするのが痛快だ。これは、いわばダイエットの戦略会議だ。根性勝負じゃダイエットは続かないことや、「食べながら(体を)絞る」にはボディビルダーが実践する「除脂肪食」が有効だと脳にインプットされる。そして本書の方針もここで明かされる。
カロリー計算で疲弊する前に、まず「脂質」を見て勝ちにいく設計です。
本能の暴走というアクセルに、うま味や食感、香りなどのテクニックで、生物学的に合理性の高いブレーキをかけて、無理なく「食べながら絞る」ための仕組みを全部詰め込みました。一口目から最後まで、脳が喜ぶよう設計しています。
低脂質でも飽きない味
まず、調理法は食材選びと同じく脂質を抑える観点でデザインされている。しかも手軽だ。例えば高たんぱくで低脂質な食材の代表格「鶏むね肉」ならば、まずはパサつかないように塩こうじに漬ける。このときポリ袋を使用して、そのまま湯煎するのだ。炒めるとどうしても油を使ってしまうし、脂質が少なくみっしりとした鶏むね肉をグツグツ煮込むと固くなってしまう。そこで湯煎だ。仕込んで冷蔵庫にストックしておけばすぐに調理できるのもありがたい。
個人的にとても好きだったのは「四川ピリ辛だれ」だ。焼肉のタレや塩こうじ、そして豆板醤を合わせる(豆板醤の大瓶を買ったはいいが持て余し気味だったのでその点でも助かりました)。
「湯煎鶏むね肉」に「四川ピリ辛だれ」をちょっとつけて食べるととてもおいしい。塩こうじのうま味と豆板醤の刺激で「私は今、とてもおいしいものを食べたなあ」と満足できる。かいわれ大根やパクチーを添えれば彩りも良くなってますますおいしい。
そう、本書の低脂質メニューはどれも満足度が高い。今までの低脂質な食事では、ごちそうさまの寸前に「なぜか食べ足りない!」とソワソワしていたのに、本書のごはんはきちんと満ち足りて落ち着いた気持ちで皿洗いができる。体を変えるのは2日や3日でできることではないので、毎日の食事できちんと満足するのはとても大切だ。
というのも、少しでも満足できていないと、その小さなストレスがたまって遅かれ早かれやけ食いをしてしまうからだ。ちなみに本書はそのこともちゃんとお見通しで「キレ食い発動予防メニュー」なるレシピも多数収められている。先ほど紹介した「四川ピリ辛だれ」を夏野菜の主役こときゅうりにかければ「無限ピリ辛きゅうり」の完成。ちょっとした副菜やおつまみにぴったりだ。
コンビニ食もラーメンも味方につける
セブンイレブンで見かける「砂肝炭火焼き」と、おそらくその近くの棚に並んでいる「キャベツのせん切りパック」を使う。調理法はこちらも湯煎だ。
栄養のバランスは、400kcalでたんぱく質は31.3g、糖質50g、脂質8g。ダイエットメニューのはずなのに「たくさんあって食べきれないかもしれない!」と興奮しながら、ゆっくりいただいた。もし「砂肝炭火焼き」や「せん切りキャベツ」だけを食べたら、ここまで満足できないだろうなあと組み合わせの見事さに毎回惚れ惚れする。クタクタに疲れて、運悪く冷蔵庫も空っぽな夜に、24時間営業のコンビニで材料が手に入るのもうれしい。これなら日常生活の中で無理をしなくても続けられる。
そして日頃からダイエットや食事に気をつけている人でも見落としがちなポイントがたくさん学べるのも本書の魅力だ。例えばラーメンやパスタだって「禁忌!」と思わずに工夫さえすれば、おいしく楽しめる。
考え抜かれた「継続が辛くない低脂質な食事」を知りたい人はぜひ手に取ってほしい。ちなみに私は10日間ほど本書のレシピや食材の選び方を自分の食生活に取り入れて、途中に友人との外食や韓国旅行も挟んでそのときだけは脂質に目をつむったが、幸いなことにお腹周りが先月よりもスッキリしている。








