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2026.05.27

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歩けないほどの股関節痛が消えた!! 82歳現役医師が自ら実践したリハビリとトレーニング

股関節痛からの解放、そして8cmのパンプス!

家族が今まさに変形性股関節症と闘っており、これからサポートするためのヒントを求めて『自分で改善できる! 股関節痛 医師自らが実践したリハビリとトレーニング』を手に取った。

股関節のケアに有効なストレッチやエクササイズ、股関節の状態を知るためのセルフチェック、そして著者の高岡邦子氏が人工股関節全置換術を受けて、リハビリを乗り越え、“再び歩ける体”を取り戻すまでの実体験がわかりやすくまとめられた一冊だ。手術を受けるまでの苦しい状況や術後の心境も本書でていねいに語られる。今まさに人工股関節の手術を受けようかどうか迷っている人の参考になるはずだし、支える家族も知っておきたい内容だった。

さて、股関節の痛みに悩んでいる人にぜひ読んでいただきたい本書は、高岡氏の生き方に勇気をもらえる本でもあるので、元気に美しく年齢を重ねていきたい人にも強くおすすめしたい。

というのも、高岡氏は循環器内科の医師であり、モデルでもあり、ミセスコンテストのファイナリストなのだ。2019年に人工股関節の手術を経験し、手術の翌々月には8cmヒールを履きこなし、2022年にミセスユニバースジャパンで5位入賞! 本書に収められた高岡氏の写真は、笑顔も立ち姿も本当に美しい。キラッキラだ。

高岡氏が手術を決断した理由にも「パンプス」が登場する。そう、人生の大きな選択には、その人らしさや大切にしていることが影響する。一部を紹介したい。
3 痛みのために外出が減り、他人のために役に立つこともできず楽しみや生き甲斐のない生活は耐えられない
4 パンプスを履いて闊歩
(かっぽ)していた自分が脚を引きずって歩くのは受け入れられない
医師としてずっと誰かのために動いてきた人が、スポーツや美しい靴を愛してきた人が、股関節の痛みで動けなくなる辛さが伝わってくる。そしてその辛さを乗り越える覚悟も感じられる。

昔から気合いを入れたいときは8cmのハイヒールを履いているが、「何歳まで履けるかな」なんて思っていた。この本で高岡氏の生き方に触れて、ものすごくガッツが湧いた。健康的なボディメイクをかなえる1週間の食事メニューも公開されているので必見だ(グラム単位のメニューでとても参考になりました!)。

股関節の負荷とコンディションを知る

まずは「第1章 なぜあなたの股関節は傷むのか」で股関節の仕組みと働きを知り、「第2章 あなたの股関節は今、どんな状態?」で実際にセルフチェックをすると、股関節がどんな存在なのか実感できるだろう。セルフチェックは2〜3分でできるのでぜひ試してもらいたい。

例えば「股関節の『柔軟性』テスト」や「股関節の『アンバランス』テスト」を試すと、股関節がたくさんの筋肉とつながっていることを実感する。そして「股関節の『安定性』テスト」で、股関節を安定させるためには体幹が重要とわかる。個人的には、自分の股関節の柔軟性があまり高くないことがわかってヒヤッとした。

続く「第3章 自力で痛みを克服! 股関節ケアストレッチ」では、高岡氏が術後に実践しているストレッチが写真とともに紹介される。毎日続けられる簡単なものや、筋トレ後にも取り入れたい動きばかりだ。

個人的には「かえるエクササイズ」が特に好きだ。ゆっくり深呼吸をしながら無理せずやってみると、脚のつけ根あたりがあたたまって寝付きがよくなる。
どのストレッチもシンプルな動作だが、太ももやお尻の筋肉が無理なくゆるめられて、股関節だけでなく背中まわりのこわばりにも効く。筋トレ後の筋肉痛でつらいときに恐る恐る試してみたが、少しずつ動けば、じっとしているよりもラクになってくるので驚いた。

股関節に「正しい動き」を覚え込ませる

ストレッチで体がほぐれるうれしさを実感したら、「第4章 一生歩けるからだをつくる! 股関節エクササイズ」も試してほしい。股関節の動きをよりスムーズにし、ヒップアップや美脚づくりにも有効な運動が紹介されている。どちらも自宅で簡単にできる。
テレビを見ながらできる「ながら運動」から、骨盤の歪みを根本から整えるダイナミックな動きまで、無理のない範囲で組み合わせてみてください。回数をこなすことよりも、「脚のつけ根から動かしている」という感覚をつかみ、行うことが大切です。
私は左の太ももやお尻が右側よりも硬くなりがちなので、まずは朝のルーチンに「ひっくりかえるエクササイズ」を加えることにした。アドバイス通り「脚のつけ根から動かすぞ……」と念じながら脚を動かすと、脚はもちろんお腹にも効いてくる。

「第5章 痛みの先に待っているもの」では、高岡氏が人工股関節全置換術を受ける決意に至った過程や、手術のこと、そして術後のケアが明瞭かつわかりやすい言葉で語られる。入院の準備や手術当日の様子、術後の痛みの変化や病院選びなど、手術を考えている人が気になるであろうことも網羅されており大変参考になる。

さらに術後のケアから発展した高岡氏のトレーニングの成果も写真付きで紹介されている。これが本当に素晴らしいのだ。1年でここまで変わるなんて!と感動するはずだ。私もこんなふうに年を重ねていきたい。

実践書でありながら、人生への希望も湧いてくるところが本書の魅力だと思う。「他人のために役に立つこともできず楽しみや生き甲斐のない生活は耐えられない」と述べた高岡氏が、医師としての経験と、患者としての経験の両方からつづった、人に寄り添う本だ。

レビュアー

花森リド

ライター・コラムニスト。主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」などで執筆。

X(旧twitter):@LidoHanamori

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