人間関係にヒビを入れないために
そんな人にこそおすすめしたいのが、『大人のADHD 「対人関係」マネジメント』だ。本書はADHDの特性を持つ人が、対人関係のトラブルを未然に防ぐためのコツを教えてくれる。たとえば、
「自分は少しものの言い方が強いようだ」とか、「いつも真っ先に文句を言っている」といったことに気づけば、「自分が言わなくても、誰かが後で言うだろう」と考えられるかもしれません。それだけでもトラブルを回避できます。
特性は「脳のクセ」のようなもの
約束を忘れる、遅刻、ミス、イライラしやすいなど、ADHDの特性は、脳の機能のアンバランスによると考えられています。(中略)
いわば、脳のクセのようなものです。
しかしADHDの人は特性による苦手分野があるだけで、理解力が劣っているわけではない。「なぜ人を怒らせてしまったのか」「自分の振る舞いがどう見えていたのか」が理解できれば具体的な解決策へとスムーズに向き合うことができるはずだ。
たとえば、ついカッとなってしまったとき。
カッとなってもとにかく止まること。頭の中で「止まれ!」と自分に命令し、3秒、爆発を止めます。
パターンをつかんで自分にも優しく
ADHDの人の多くは、周囲に合わせることができないわけではありません。けれども、刺激に反応しやすいため、感情をコントロールしたり、失言しないよう緊張していたりして、一日が終わるころにはヘトヘトになっています。
予測不可能なコミュニケーションの中で常に本書のメソッドを意識して実行するには、集中力と訓練が求められるかもしれない。 本書は「読めばすぐに人間関係が改善する魔法の杖」ではなく、「もう失敗しないように理想のフォームを身につける筋トレのメニュー」に近い。頭で理解することと実際の場面で体現できることの間には確かに壁があるが、「正しいフォーム」を知るメリットは大きい。
「特性を乗り越えて対人関係を改善したい」とこの本を手に取ること自体が素晴らしく、失敗しても自分を責める必要はない。本書にはそんなメッセージも込められていると感じる。







