柴崎友香さんは、1999年のデビュー以来、『きょうのできごと』や『その街の今は』が映像化、『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞、『春の庭』で芥川賞、『続きと始まり』が谷崎潤一郎賞などと文学界の最前線を走り続け、このたび『帰れない探偵』で第77回読売文学賞に輝きました 。
受賞作は柴崎さんにとって初の探偵小説 。柴田元幸さん責任編集の雑誌「MONKEY」の探偵小説特集に掲載された短編がもとになって文芸誌「群像」で連載、長編に膨らんだ作品です 。昨年6月の刊行時に韓国文学の翻訳家としても知られる斎藤真理子さんから冒頭のような推薦の辞をいただき、新聞各紙の書評欄でも次々と高い評価を得ていました。
主人公はある日、事務所兼自宅に帰れなくなった探偵 。「世界探偵委員会連盟」に指示されるがまま、世界中を渡り歩きます 。どこかなつかしい、そして現実世界を連想させるさまざまな場所を訪れる探偵に待ち受ける運命とは……!
〈探偵は全く知らない他人の事情を根掘り葉掘り聞くので、小説を書くのにすごく良い存在。謎解きという形式があるからこそ書ける面白さがあり、新しい試みを増やせた〉──読売新聞2月2日朝刊掲載の受賞記念インタビュー記事より。
柴崎さんの新境地を開いた傑作です 。ぜひご一読ください 。
──学芸第三出版部 森川晃輔
著者紹介
1973年、大阪府生まれ。99年「レッド、イエロー、オレンジ、オレンジ、ブルー」が文藝別冊に掲載されデビュー。2007年『その街の今は』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、10年『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞、14年「春の庭」で芥川賞、24年『続きと始まり』で芸術選奨文部科学大臣賞、谷崎潤一郎賞を受賞。その他の小説に『パノララ』『かわうそ堀怪談見習い』『百年と一日』など、エッセイに『よう知らんけど日記』ほか、著書多数。







