ある家を舞台に、そこに暮らしていた三代の住人たちの記憶をたどる本作 。著者の鳥山さんは建築士としても活躍し、丸柱や天井、漆喰の壁といった細部に目を凝らした緻密な描写や、まるで小説そのものが一軒の家のように組み上がっていく構成美など、その新人離れした技量が高く評価されました 。時の進みは一方向ではなく、断片的に思い出される記憶の語りから、彼らが笑い、悲しみ、愛した時間が読者の心に流れ込みます 。
誰かと共に生きること、その存在を想うことの代えがたい喜びと素晴らしさを教えてくれる、何十年後にも読み継がれてほしい傑作です 。
──文芸第一単行本編集チーム 大西咲希







