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2026.03.25

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第174回芥川賞&第47回野間文芸新人賞受賞作! 建築文学の傑作が誕生

受賞の連絡を受けたのは、2ヵ月前にも訪れたカフェでした 。昨年11月に野間文芸新人賞を射止めた験(げん)を担ぎ、「芥川賞の選考会も、野間新のときとまったく同じシチュエーションで待ちましょう」ということで、集合時間や服装はもちろん、乗る新幹線や東京に到着してから立ち寄る書店まで完全一致で臨んだ待ち会 。力作揃いで接戦だったという選考会は長時間にわたり、なかなか連絡が来ず不安になる一幕もありましたが、無事ジンクスは守られたのでした 。同一作品での芥川賞と野間文芸新人賞のダブル受賞は史上初の快挙です 。

ある家を舞台に、そこに暮らしていた三代の住人たちの記憶をたどる本作 。著者の鳥山さんは建築士としても活躍し、丸柱や天井、漆喰の壁といった細部に目を凝らした緻密な描写や、まるで小説そのものが一軒の家のように組み上がっていく構成美など、その新人離れした技量が高く評価されました 。時の進みは一方向ではなく、断片的に思い出される記憶の語りから、彼らが笑い、悲しみ、愛した時間が読者の心に流れ込みます 。

誰かと共に生きること、その存在を想うことの代えがたい喜びと素晴らしさを教えてくれる、何十年後にも読み継がれてほしい傑作です 。

──文芸第一単行本編集チーム 大西咲希

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