『十七八より』で高校2年生だった少女は作家になり、弟の結婚式に参列するため仙台に向かっています。どこにいても、何をしていても思い出してしまうのは、彼女にとってかけがえのない存在だった亡き叔母のこと。大きな事件が起きるわけでも、誰もが涙するクライマックスがあるわけでもありません。けれど、読んだ人の固有の記憶と結びつき、人生の大事な局面で寄り添ってくれるような、そんな不思議な魅力を秘めた小説です。
この作品が、あなただけの特別な「二十四五」の物語になることを信じています。
──文芸第一単行本編集チーム 大西咲希