「おれ、死んでもうた。やから殺してくれへん?」
ある日、シェアハウスに住まう初瀬(はつせ)が同居人である蓮見(はすみ)から頼まれた不可解な殺人依頼。初瀬が蓮見の胸に耳を当てると、確かに彼の心臓はすでに止まっている……。死んだ人間を殺すとは、一体どういうことなのか? 序盤から、大きな「?」を読者に与えながら、初瀬が「決断」をするまでの55日間を描いた物語です。
群像新人文学賞選考委員の町田康さんから「そして結末に至るまでは、美事と言うより他なく、自分はこれを受賞作として推しました」と評された本作、ぜひお読みください。期待が高まる2作目も鋭意執筆中です !
──文芸第一単行本編集チーム N.K.