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2026.02.03

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元国税専門官だから書けた、普通の人でも1億円を手にする仕組み。富裕層が大事にしている「お金の基本」

気がつけば、あれもこれも値段が上がっていることにため息をつくこの頃。そう簡単には下がりそうもない物価を前にして、私たち「ふつうの人」がこれから無理なくできることは何だろうか──そう考え、迷っている方に本書をおすすめしたい。

2004年、東京国税局の国税専門官として研修を終えた著者は、相続税や贈与税を扱う「資産課税」の担当を希望した。家庭の事情により金銭面で苦労して育ったこともあり、早くから「相続税がかかるほどの富裕層に強い興味を抱いていたことが、その動機にあったという。だが予想とは裏腹に、実際の相続税調査の現場と富裕層の暮らしぶりは、著者にとって思わぬものだった。
「お金をたくさん持っている」からといって、決して「むやみやたらと消費する」わけではない。しかし、使うべき時と判断すれば、大胆にお金を使う……。
富裕層の多くのお金に対する考え方や使い方は、私たち一般の人のそれとは根本的に異なる。それが、私が相続税調査の現場で得た大きな気づきでした。
では「富裕層」と呼ばれる人たちは、お金についてどのように考え、行動しているのだろうか。13年間の国税職員としての経験を基に、現在はマネーライターとして活躍する著者は、本書のねらいについてこう語る。
本書を執筆する最大の目的は、多くの方が無意識に抱いてしまっているお金への誤解を解き、本当に有効な「仕組みづくり」の方法をお伝えすることにあります。
経済的自由を実現するのに、富裕層の家に生まれることや、並外れた成功を収めることは必須ではありません。本書で提案する考え方や方法を実践することで、誰もが今日からでも、経済的自由へと続く道を歩み始めることができます。
章ごとに挙げられたテーマは、「お金の使い方」「お金の借り方」「お金の価値」「家の買い方」「税金との付き合い方」「投資の考え方」の6つだ。読み手の人生のステージによって、気になるポイントはそれぞれ異なるだろう。とりわけ私が目を見開かされたのは、社会保険料に対する姿勢だった。
前の項で、株式投資が税金面でメリットが大きいことをお伝えしましたが、話はこれで終わりません。実は「社会保険料」の面でも投資には大きなメリットがあります。
あなたの給与明細をじっくりと見てください。おそらく多くの方が、「所得税」の欄に書かれた金額よりも、健康保険料と厚生年金保険料の合計額の方が大きいのではないでしょうか。
そう、社会保険料の負担は所得税よりも高くなることがあります。
こう述べた上で著者は、「社会保険料は、税金のように控除で負担を減らすことができない」ことを指摘する。医療費控除や寄付控除の恩恵に長く与ってきた身ではあるものの、この視点は持ちえなかった。続けて著者は、社会保険料の算定に影響しない株式投資からの利益の重要性を説き、その差が「資産形成のスピードを確実に左右します」と言い添える。身に染みる指摘だった。

これから着実にお金を増やしていくために、できることは何か。その具体的な方法だけでなく、著者の経験や失敗までをも惜しみなくつづった本書は、最後までわかりやすく、読みやすい。これからお金を貯めたい方や、その投資先を考えたい方に、ぴったりの入門書といえよう。

レビュアー

田中香織

元書店員。在職中より、マンガ大賞の設立・運営を行ってきた。現在は女性漫画家(クリエイター)のマネジメント会社である、(株)スピカワークスの広報として働いている。

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