〈「最後の旅」をいっしょにしてくれる人を探しています」〉。余命2年の主人公の青年・エミルの呼びかけに現れたのは、見知らぬ女性ジョアンヌ。ニ人はキャンピングカーでピレネーの雄大な自然へ。限られた時間の中で命を見つめる、感動の超大作です。
上下巻832ページの大長編ですが、長さを全く感じさせない爽やかな筆致が特徴です。むしろ、読後には「もっと二人と旅をしていたかった」という声が多数。著者のメリッサさんは「人生は長いもの。人間関係を築くには時間がかかるもの」とおっしゃっていました。1ページ1ページが彼らと過ごす時間になります。海を越えてやってきた、人生や愛について沢山の問いを投げかけてくれる一冊です。
──文芸第三出版部 市川裕太郎








