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2024.11.30

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「奇跡の作家」ルシア・ベルリン。岸本佐知子の名訳で贈る最新短編集『楽園の夕べ』

2冊目の作品集『すべての月、すべての年』も文庫化

初めての邦訳作品集『掃除婦のための手引き書』がベストセラー、2020年本屋大賞(翻訳小説部門)では第2位に輝き、文庫版と合わせて累計11万部と熱く支持されてきたルシア・ベルリン。このたび待望の新短編集『楽園の夕べ』が刊行され、2冊目の作品集『すべての月、すべての年』も文庫化されました。

ルシア・ベルリンは1936年生まれ、2004年にほぼ無名のまま亡くなった作家です。3回の結婚と離婚を経て、教師、掃除婦、看護助手などをして働きながら4人の息子をシングルマザーとして育て、アルコール依存症にも苦しんだ凄絶な人生の中で、自らの経験をもとに短編小説を書き続けました。死後10年以上を経て、2015年に編まれた作品集A Manual for Cleaning Women(日本では『掃除婦のための手引き書』『すべての月、すべての年』に分けて刊行)が驚きと賞賛をもって迎えられ、一躍世界で知られるようになったことから「奇跡の作家」と呼ばれています。

翻訳者・岸本佐知子さんは『楽園の夕べ』の「訳者あとがき」でその魅力を綴っています。「彼女の書く文章はほかの誰とも似ていない。読むものの心を鷲づかみにして、五感を強く揺さぶる」。岸本さんの名訳でその唯一無二の世界に触れていただけたら、嬉しく思います。

──文芸第一単行本編集チーム K.H.
『掃除婦のための手引き書』『すべての月、すべての年』の原書となった作品集はニューヨーク・タイムズ紙が選ぶ「21世紀の100冊」に選ばれました。カバーにも使用している著者ポートレートは、いずれもルシアの夫が撮影したものですBuddy Berlin (©2018 LiteraryEstate of Lucia Berlin LP)
ルシア・ベルリン
1936年アラスカ生まれ。2004年没。レイモンド・カーヴァー、リディア・デイヴィスをはじめ多くの作家に影響を与えながらも、生前は一部にその名を知られるのみであったが、2015年、A Manual forCleaning Womenが出版されると同書はたちまちベストセラーとなり、多くの読者に驚きとともに「再発見」された

岸本佐知子(きしもと・さちこ)
翻訳家。訳書にリディア・デイヴィス『話の終わり』『ほとんど記憶のない女』など多数。編訳書に『変愛小説集』『居心地の悪い部屋』『楽しい夜』ほか、著書に『わからない』『死ぬまでに行きたい海』『ひみつのしつもん』など。2007年、『ねにもつタイプ』で講談社エッセイ賞を受賞

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