しかし、もし子どもたちに人気のあるYouTuberの動画を見ながら、自然と「ことわざ」や「四字熟語」を覚えられるとしたら?
子どもがニガテな野菜を細かく刻んでハンバーグに入れて気づかないうちに食べさせるような感じと言いましょうか。知らず知らずのうちに勉学に触れさせることができそうな、そんな夢のような学習書が、チャンネル登録者数230万人を超える人気ゲーム実況グループ「ドズル社」による『ドズル社と学ぼう! ことわざ』『ドズル社と学ぼう! 四字熟語』です。
さて、本稿をご覧になっている諸兄は「ドズル社」をご存知でしょうか。2025年4月公開の映画『マインクラフト/ザ・ムービー』の日本語吹替キャストにも起用されている彼らは、医大生から動画クリエイターに転身した異色の経歴を持つドズルさんをリーダーに、5名のメンバーで活動するゲーム実況グループです。子どもがマイクラにハマったことがあって、YouTubeでマイクラ動画を見ているなら、きっと一度はYouTubeで見かけたりおすすめに流れてきているはず、と言っても過言ではないくらい大手チャンネルです。
そんな彼らのチャンネルの動画は、マインクラフトを使った独創的な企画で知られています。「大富豪おじいちゃんシリーズ」や「絶交遊戯(ゼッコーゲーム)」をはじめ、子どもたちが夢中になる動画を毎日配信し続けて、なんと9000本以上。その中から厳選された名シーンが、この本には詰まっています。
そんなマイクラの中で誰もが味わう一連の体験を「千里の行も足下より始まる」ということわざに当てはめて紹介しています。

さらに嬉しいのは、単なる意味の説明だけでなく、「似た意味のことば」「反対の意味のことば」「例文」「オマケ情報」まで充実していること。途中には「おさらいクイズ」もあるので、ちゃんと覚えているかチェックまでできてしまいます。

マインクラフトのゲームでプログラミング思考を身につけ、ドズル社の動画で企画力や発想力を身につけ、本書で言葉を学び、表現力を身につける。完璧なサイクルが出来上がりそうです。もちろん、ドズル社の動画を見たことがない子でも大丈夫。むしろ、この本をきっかけに動画を見始めて、「あ、この場面だ!」という逆の楽しみ方もあります。
今後ますます注目度が上がりそうな彼らの、記念すべき初の教養本。ファンならずとも、チェックしておきたい1冊です。