人は毎日言葉を紡ぎ続けています。男性なら1日平均7000語、女性はその約3倍といいます。自分を卑下する言葉から美しい言葉まで、脳も自然と影響されます。それだけでなく、家庭や職場での言葉、メディアの発するニュース、SNSのコメントなど、これらはすべてあなたに咒(まじない)をかけているようなもの、と中野さんは述べます。咒は呪の異体字です。ネガティブな意味の強い呪でなく咒としたのは、言葉による影響のポジティブな面にも光を当てるためです。
残念ながら、SNSが社会のルールを先鋭化させています。私たちが言葉の犠牲者にならないための知見とともに、言葉を生きる力に変えるヒントも本書で得られるのでオススメです。
──ノンフィクション編集チーム 呉清美