2024江戸川乱歩賞受賞作
乱歩賞70年目の大収穫
選考会で圧倒的な支持を集めたのは、人が死なないミステリであるのに、魅力的な謎でぐいぐい読ませる正統なミステリの筆さばきでした。作中、真面目を絵にかいたような週刊誌記者の松村健太郎は、「ボディビル大会で突然入賞したアイドルが、実はドーピングをしていたのではないか」という疑惑を探るよう命じられます。どうすれば真偽を見極めることができるのか? 松村はある大胆な手法で、相手をドーピング検査にかけることを思いつくのですが──。二転三転、想像もできない結末にきっと誰もが驚くはずです。お楽しみに。
──文芸第二単行本編集チーム 大曽根幸太
2024群像新人文学賞受賞作
21歳の巨大な才能が誕生!
これからの時代をひらく巨大な才能に、ぜひご注目ください。
──文芸第一単行本編集チーム 見田葉子
2024小説現代長編新人賞受賞作
声で闘う新忍者(ニューヒーロー)、見参!
南部藩に仕える望月景信は、どんな声も自在に真似る凄腕の“声色遣い”。ある時は敵のくノ一に扮して情報を聞き出し、ある時は敵軍リーダーの声で軍勢を鎮圧します。隣国・伊達藩の動向を探る任務の中、弾圧されるキリシタンの実状を目の当たりにした景信は「信じるとは何か」「この国とは何か」を己に問うことに。そして背後で暗躍する謎の新興宗教“大眼宗”の秘密に迫っていくのでした。
人情家で惚れっぽく、ちょっとドジだが優しい忍者。時代を変えるニューヒーローの活躍、千変万化する声を想像しながらお楽しみください。
──小説現代編集チーム 川原 桜
2023小説現代長編新人賞受賞第1作
令和イチかわいい猫小説はコレだ!
水庭さんはまだ2作目ながら、デビュー時から評価されている安定感のある筆力を見せています。猫視点で進む本作は、まるで水庭さんが猫になってしまったかのような錯覚すらおぼえます(実際に水庭さんは飼い猫としばらく同じ目線の高さで会話していたそうです)。
「世界猫の日」8月8日に発売のかわいさ2222% の猫小説を、ぜひご堪能ください!
──小説現代編集チーム 伊藤蓮矢