準決勝での村上宗隆選手の起死回生のヒット、決勝戦での大谷翔平×マイク・トラウトの対決……漫画を超える奇跡的シーンが続出した昨年のWBC には、日本中が沸き立ちました。その時、多くのメディアの見出しに躍っていたのが「栗山監督の信じる力」という言葉です。
侍ジャパンを率いた栗山英樹前監督は、不調だった村上選手を信じて使い続けました。また、監督を引き受けたときから胸に抱いていた、最後は大谷選手のガッツポーズで勝利するイメージを信じて、それを実現させました。
あれだけの大きな舞台で、あの状況で、なぜ選手を、そして自分の選択を信じられたのか。
この本では、栗山さんの信じる力、いや、最後の最後まで「信じ切る力」の根源を、本人が解き明かしていきます。
栗山さんが乗り越えてきた苦しみ、出会った人々からの学び、野球と選手たちへの献身に胸が熱くなると同時に、人間性を高めることで運はコントロールできるのかと目を開かれる思いがします。読んだ人の生き方を変える、大きなきっかけになり得る本だと感じています。
──mi-mollet 事業部 松﨑育子
1961年生まれ。東京都出身。北海道日本ハムファイターズ監督を経て、2022年、野球日本代表監督に就任。翌年、2023ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でチームを世界一に導いた。24年からファイターズ最高責任者であるチーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)を務める。
レビュアー
mi-mollet 事業部