幅広い世代に読み継がれ、累計100万部を突破した恩田陸さんの「理瀬」シリーズ。シリーズ初となる短編集『夜明けの花園』は、主人公の水野理瀬が特殊な事情を抱えた生徒が集う全寮制の学園に転入する前後を描いたスピンオフ作品集です。理瀬をはじめ、本編でお馴染みの校長や友人のヨハン、聖などが各話の主人公として登場。シリーズを通読している方はもちろん、未読の方でも世界観を堪能できる一冊です。
刊行に際して、恩田さんからは「宝石箱みたいな、持っていたくなる綺麗な本」というオーダーをいただき、文芸書としては珍しい小B6判という判型に、装画と帯には銀刷り加工を施し、カバーは光沢のある紙を採用しました。デザイナー兼イラストレーターの北見隆さんには、今作もゴシック・ミステリならではの雰囲気ある装画に仕上げていただきました。手にとっていただけますと幸いです!
──小説現代編集チーム 山下直人
レビュアー
小説現代編集チーム