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第17回小説現代長編新人賞受賞作! 奇跡の花と不思議な青年をめぐる、再生の物語。

うるうの朝顔
(著:水庭 れん)
2023.07.13
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近年、勢いのある新人賞として注目を集める小説現代長編新人賞から、ニュースターの誕生です。
水庭れんさんはなんと小説初執筆ながら、細やかな心理描写と巧みなストーリーテリングで発売前から注目を集めています。「うるうの朝顔」という不思議な花を咲かせると、自分が後悔している過去の場面に戻ることができるのですが、その過去は当時とは「1秒」だけ異なっています。その種を持つ墓守の青年・凪(なぎ)が、訪れる人々の悩みを受け止めるところから物語はスタート。見事花を咲かせ、憑き物が落ちたように語り始める彼らを見て、凪自身もつらい過去と向き合う決意を固めるのでした。
何かおかしいけど、その何かがわからない。些細なことゆえに気が付かなかったり、いつの間にか見ないふりをしていたり。そんな心のささくれを一緒に見つけてみませんか。

──小説現代編集チーム 伊藤蓮矢

  • 電子あり
『うるうの朝顔』書影
著:水庭 れん

綿来千晶は、息子に手を上げた夫と離婚したばかりで鬱々とした日々を過ごしていた。彼女は、偶然入った霊園事務所で日置凪という青年に出会う。親しみやすく価値観の合う凪に、ぽつぽつと悩みを打ち明ける千晶。すると彼は「ひとつだけ、おとぎ話をさせてください。」と「うるうの朝顔」という不思議な朝顔の種を取り出した。
なんでもその花を咲かせると、現実とはほんの少しだけ変わった過去をもう一度体験でき、その瞬間から始まっていた心の「ズレ」が直るという。その夜、千晶には、姉が父に殴られた日の記憶がよみがえり……。

レビュアー

担当編集者

小説現代編集チーム

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