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3月4日、栗原はるみさんの75歳の誕生日前日にパーソナルマガジン『栗原はるみ』が講談社より創刊される。昨年9月、25年間扶桑社で出されていた季刊誌『haru_mi』を当初の予定通り100号で休刊。栗原さんの新たな“挑戦“がふんだんに盛り込まれた新雑誌にかける想いを、編集長の片岡千晶と語った。
新雑誌『栗原はるみ』で初めて見せる新たな一面とは
片岡 いよいよ来月、パーソナルマガジン『栗原はるみ』が創刊されます。栗原さんはこれまで講談社とはあまりご縁がなかったんですよね。
栗原 なんでだろう(笑)。でも今回、こうして新しい環境で新しい人たちと始められるのは、本当にうれしいことです。
片岡 この新雑誌では、いままでにない企画が盛りだくさんですよね。
栗原 ひとことで言えば、これまでやり残したこと、やってみたいと思っていたことをすべて出し切りたいですね。私も年を重ねて、残った時間を考えると、やり残したことがいっぱいある気がしてしまって。
片岡 これまで、栗原はるみさんといえば料理のイメージでしたが、今回の雑誌ではライフスタイル全体に焦点を当てています。ファッション、インテリアも出てきますし、健康のことなども入ってきますね。
栗原 この雑誌では私のやりたいことを存分にやらせてもらうと、最初にお約束したんですよね(笑)。
たとえば、私がこんなにデニム好きだということも、みんなは知らないと思うんですよね。もう、人生をかけるくらい好きなのに。きっと仕事だからジーパンはいてるんじゃないかと思われていそうです(笑)。
それから、週末にレストランに行くときはドレスアップもするし。普段、外出するときにはスカートもはくんですよ。でも、そのイメージ、ないですよね。「え、スカートはくの?」って言う人も多いと思う(笑)。
片岡 そうですね。栗原さんがこれだけお洋服が好きだというのも、世の中の方は知らないんじゃないかと思います。
これから、栗原さんの価値観やライフスタイルをどんどんご紹介していけそうです。
ご主人を亡くされてからの日常の変化と前向きな気持ち
片岡 創刊号の第1特集は「私の週末。」です。最初にご挨拶したとき、このテーマをご提案いただきました。
栗原 なんか、さみしかったんですかね、週末が(笑)。
片岡 いいテーマだと思います。創刊号は、名刺代わりのようなところもあるので。料理からライフスタイル、ファッションと、ほかでは見られない栗原さんのいろいろな面を出すことができました。
栗原 夫が亡くなってから、週末が変わってしまったんですよ。食事に出かけたり、いつも一緒に過ごしていましたから。一人だと、ある意味、暇になってしまって。だからこそ、残りの人生、やりたいことをぜんぶやらなきゃと思ってるんです。
片岡 これまで世間が求めてきた「栗原はるみ」像は、素敵な奥さまで、お料理が上手で、家族やいろいろなお客さまをもてなすのがお好き、そんなイメージだと思うんですけど。栗原さんって、それだけじゃないんですよね。生活が変わったことで、ご自身にもっと目が向いたのではないでしょうか。
栗原 そうですね。いま大事だと思うのは、誰かのためにというより、自分自身のために。この雑誌も、そんな想いで頑張ってつくっています。
新鮮なスタッフと一緒に新しい「栗原はるみ」を
片岡 今回、お仕事をご一緒させていただいて、驚いたことはたくさんあります。まず、これだけのキャリアがあって、25年間扶桑社で出されていた季刊誌『haru_mi』は20万部も出ていて、正直もう変える必要なんてないじゃないですか。
栗原 いやいや、そんなことは。
片岡 でも、楽することなんてまったく考えないで、どんどん新しいことに挑戦されています。大変な時間とエネルギーが必要ですよね。
栗原 確かに、仕事を楽しむということはあっても、楽をしようとすることはないかな。
片岡 栗原さんは必ずいつも、「楽しくやろう」とおっしゃいますよね。
栗原 この雑誌も楽しくやらせてもらっています。スタッフも新しく一緒にやる人ばかりで、料理の現場では珍しく男性も多い。私を知り尽くした人が書くのとはまた違って、新鮮な気持ちで興味を持って書いてもらったりするのも、いいですよね。
片岡 栗原さんの新しい面を出していくために、性別とか年齢とか関係なく、一緒にお仕事したい人とやっていこうというのも、今回の雑誌の在り方ですよね。
栗原 私自身のためにも、これからもいろんなことを学んでいきたいし、この雑誌でどんどんアウトプットしていこうと思います。
片岡 栗原さんの素の魅力を幅広く届けていきたいですよね。メインの読者は50~60代になると思いますが、特に読者層のターゲットは決めていません。
栗原 はい、10代から読んでほしい。
片岡 実際に「母がファンで」とか、「母の味が栗原さんの味です」という20代の方にも栗原さんは支持されているので。
栗原 私ぐらいの年齢の方にも、元気になってほしいと思います。次の号が出るまで、毎日ページをめくってもらえるような雑誌にしたいですね!
撮影/斎藤 浩(講談社写真部)
1947年、静岡県生まれ。料理家。『ごちそうさまが、ききたくて。』(文化出版局)ほか著書多数。著書の累計発行部数は3100万部を突破。NHK『きょうの料理』レギュラー出演中。生活雑貨ショップ「share with Kurihara harumi」、レストラン&カフェ「ゆとりの空間」などをプロデュース。1996年創刊の季刊誌『haru_mi』(扶桑社)は、2021年9月刊行の100号で休刊。2022年3月、講談社より雑誌『栗原はるみ』を創刊。
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