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【名作発見】プロレタリア運動全盛期、中国奥地の留学生はロバで来日?
東京帝國大学での学生運動、プロレタリア運動の様子を描く。この時代、最も新しくインテリが一斉に傾倒した考え方が数十年で過去の遺物になるとは誰が想像したことでしょう。当時の運動の渦中の若者たちも、なんだやっぱりそうかと。最晩年の芥川龍之介がモデルの人物が出てきます。(カラスヤ)
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金沢の旧制高校から東京帝大に入学した片口安吉の〈新人会〉での活動を核に、豊潤な感性で描く精神の軌跡。時代の終焉を告げる天皇の死。合同印刷ストライキ。激動の予感を孕みながら展かれてゆくプロレタリア運動。流されるままに流れる〈心〉の襞の光と影。『梨の花』『歌のわかれ』に続く自伝的長篇小説。毎日出版文化賞受賞。
レビュアー
1973年生まれ。漫画家。著作に『カラスヤサトシ』『カラスヤサトシのおしゃれ歌留多』『強風記』『喪男の社会学入門』『毎日カラスヤサトシ』『オレは子を見て育とうと思う』『カラスヤサトシの世界スパイス紀行』『おとろし』『カラスヤサトシの孫子まるわかり』『カラスヤサトシの戦国散歩』など多数。近刊にこの連載「文庫で100年散歩」を収録した『カラスヤサトシの日本文学紀行』(9月27日発売)があります。
近況:9月27日、『カラスヤサトシの日本文学紀行』発売します! この連載のマンガも、初期の、今見れない分も大量に収録してます、よろしくお願いいたします!
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