石川啄木が残した小説で最長の作品。新聞に60回にわたり連載されたもの。「まとまりがない」「主人公の描き方がブレブレ」などと評価は低いそうですが、個人的にはかなりおもしろく読みました。華々しく登場しながら、どんどん卑小になっていく主人公は、ブレてるといえばブレてますが、ものすごくリアルでもありますし。あと顔を鍋底のススで黒く塗るのは某時代劇でやってました。(カラスヤ)
レビュアー
1973年生まれ。漫画家。著作に『カラスヤサトシ』『カラスヤサトシのおしゃれ歌留多』『強風記』『喪男の社会学入門』『毎日カラスヤサトシ』『オレは子を見て育とうと思う』『カラスヤサトシの世界スパイス紀行』『おとろし』など多数。『アフタヌーンはカラスヤサトシのもの』を「アフタヌーン」で連載中。近刊に新書館『カラスヤサトシの孫子まるわかり』、講談社『カラスヤサトシ』9巻、リイド社『カラスヤサトシの戦国散歩』があります。
近況:この夏は、盆踊りデビューをいたしました。