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2023.06.22

レビュー

野菜バイヤー・青髪のテツと、一つ星シェフ・鳥羽周作が考えた野菜の神レシピ!!

「野菜ひとつ」でこんなにおいしい!

市販の惣菜もおいしいけれど、できれば野菜をしっかり食べたい。野菜多めの自炊メニューは、お財布にも健康にも優しい。とはいえ、「塩を振って焼けばとりあえずはOK」な肉と違い、野菜の調理は手間がかかるわりに、メインのおかずにはなりにくい。余裕のある時しか取り組めないな……と、私は長らく思っていました。
しかし、『野菜バイヤーと一つ星シェフが考えた新定番 おうち野菜の神レシピ』は、そんな思い込みをなくしてくれます。「野菜ひとつ」でできて、とにかく簡単。それでいて、自分ではちょっと思いつかないような斬新さがあるところもいいんです。野菜をたくさん食べられる、いや食べたくなるレシピばかり。

この本は、八百屋歴14年・フォロワー数56万超! 野菜の旬や賢い保存法を紹介し「フォローすると節約できるアカウント」としてNHKでも紹介されたの野菜バイヤー・「青髪のテツ」さんと、一つ星レストラン『sio』のオーナーシェフとして様々なメディアで活動を続ける鳥羽周作さんの共著によるもの。ふたりの交流から生まれた、おうち野菜料理の新定番を紹介します。
おいしい野菜の見分け方、保存法から、いつもの野菜が驚くほどおいしくなるレシピまで、春夏秋冬、繰り返し、一生使える情報量を詰め込んだ野菜本の決定版です!

旬のおいしさを食べつくそう

本を開いてすぐ現れる、このページ。


この本のテーマの一つは「旬の野菜のおいしさを楽しむ」こと。野菜のおいしい時期である「旬」を押さえた食べ方を知ることができます。私はざっくりと「スーパーの目立つところで、“一山いくら”の安価で売られているものが旬の野菜」という覚え方をしていましたが「野菜の旬早見表」があれば、さらに完璧。

中には、ゴボウやキャベツのように、複数の季節で旬とされているものもあります。

春キャベツと冬キャベツは収穫時期が異なるだけでなく、品種が違います。

という青髪のテツさんの言葉通り、四季ごとの旬で分けられたこの本の「春」と「冬」にそれぞれ登場するキャベツのレシピを比較すると、そのアプローチはまるで別物。その季節に旬を迎える品種ごとの特性を生かした調理法を教えてくれるきめ細やかさがとてもうれしい。

この本は、基本的に一つの野菜を見開きで紹介しています。

左ページは青髪のテツさんの「野菜まとめノート」。野菜の選び方や保存法、豆知識、栄養などについて解説しており、「もっと早く知りたかった!」が満載です。旬のとれたて野菜を手に入れたときは、まずは右下の「シンプルに味わうレシピ」で、野菜そのものの味を楽しみましょう。また

野菜は育った状態に近い状態で保存すると、ストレスを感じにくく長持ちします。

こんな情報をはじめ、「野菜は冷蔵庫のどこに入れれば長持ちするのか?」「シワシワ野菜をよみがえらせるには?」など、買った野菜を最大限に楽しむ「目からウロコの保存術」も見逃せません。ちょっとしたテクニックが、野菜を「おいしく食べられる期間」を思った以上に伸ばしてくれます。

右ページは、鳥羽さん考案の「sioオリジナルレシピ」。「これだけ?」と思うほど、少ない材料と調味料で、野菜のうまみが最大限に引き出されるレシピを読めば、思わず八百屋さんに行きたくなるはず!

鳥羽周作のおいしい野菜料理ルール

「圧倒的に簡単で、圧倒的においしい」のがこの本のレシピの大きな特徴。未公開レシピから、sioが誇るパスタまで、シンプルな材料と調理で、誰が作ってもそのおいしさを再現できるものばかり。さらに、どこかに驚くようなアクセントがあり、何度でも食べたくなる……。それは鳥羽さんならではの「野菜をおいしくする野菜料理ルール」のおかげです。火加減、野菜を活かす油の量、塩加減などなど、野菜をごちそうにする料理のルールが最初にまとめられています。ここと、各レシピにしっかり目を通してから作るのが成功のコツです。

野菜をごちそうにするうえで、特に魅力的なのが「パスタ」のレシピ。パスタは野菜料理の理にかなっていると鳥羽さんは言います。

今回のパスタはワンパン、ワンボウルでできるものがたくさん。これは本当に野菜を簡単に食べてほしいという僕の思いから。野菜のうまみをたーっぷり引き出して、それをめんに吸わせて、汁ごと食べてほしい! お肉顔負けのうまみが出るんです、野菜って。すごいでしょ。

定番の(そしてsio自慢の)トマトソースパスタはもちろん、白菜、

菜の花、キャベツ、きのこ、ほうれん草などなど、それぞれの季節で旬を迎える野菜の、それぞれのキャラの立ったパスタレシピは必見です。

もう一つ、おいしくてグッとくるのが、さまざまな「酢」を使ったレシピ。

「撮影現場で奪い合いになった」という赤ワインビネガーを使う「さつまいもの甘酢マリネ」をはじめ、ホワイトバルサミコ、リンゴ酢などを使うレシピが多数登場します。いわゆる「穀物酢」以外のビネガー類が野菜を引き立て、オシャレでおいしいアクセントを加えてくれることをこの本は教えてくれます。
なかでも、「絶対に作りたい!」とテンションが上がったのが、sioのお弁当にも入っている人気の副菜「ごぼうのきんぴらフランボワーズ」!

ごぼうにフランボワーズ、つまりラズベリーが加わるとこんな味わいが生まれるとは……! レシピを読むだけでは想像もつかなかったのに、食べると病みつきになります。個人的には、これを知れただけで、この本を読んだ甲斐がある!と感じたほどの新鮮なおいしさでした。ぜひ試してほしい!

野菜の旬や、野菜の新しいおいしさを知り、スーパーや八百屋さんで野菜を選ぶこと自体が楽しくなりました。今まで、どこか面倒くさいと感じていた野菜調理の苦手意識を消してくれる、私にとっては魔法の1冊です。季節の醍醐味を味わうって、こんなにQOLが上がるんだなあ……。しみじみ実感しました。ずっと手元において、愛用したい1冊です。

レビュアー

中野亜希

ガジェットと犬と編み物が好きなライター。読書は旅だと思ってます。
twitter:@752019

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