この図鑑の良さを一言で言うと、動物園や水族館にいる生き物や、身近な家畜、ペット、昆虫まで、様々な生き物の写真が227点以上も載っていること。しかもオールカラーで、英語の読み方付き。
だから、ペラペラとめくるだけでも、すごく楽しい図鑑です。
【チーターとヒョウの違いは?】
ここ数年、動物園や水族館によく行くのですが、動物の檻の前で「これはチーターで、あっちがヒョウだよ」と言っている男の子がいました。
どちらも猫みたいで黒い斑点模様があるのに何でわかるんだ?と思ったので、早速この図鑑で調べてみると……、
動物園では気づきませんでしたが、こうして図鑑で見比べてみると、斑点模様にも微妙な違いがあることがわかります。
しかもヒョウは、「ときどき黒いヒョウが生まれることがあります」という説明書きがあり、「木登りが得意」だとか。知らなかったなぁ……。
こんなふうに改めて図鑑を見てみると、本当に知らないことだらけなので会話が弾みそうです。
【ニホンジカの英語名はジャパニーズディアーではない】
一方、時速110キロを出せる最速の動物チーターですが、サバンナでインパラを追いかけている映像を見たことがある方も多いと思います。
インパラの愛らしい容姿に、私はずっと鹿の仲間だと思っていたのですが、実はウシの仲間だということも、今回初めて知りました!!
確かにインパラの角は、牛みたいに立派ですもんね。
じゃあ、鹿の角はどんなだったかというと……、
ここで面白いことを発見してしまいました。
ニホンジカ(エゾシカ)を英語で言うとシカディアー(sika deer)。
ニホンカモシカは、ジャパニーズセロウ。ニホンイタチは、ジャパニーズウィーズル。
であれば、ニホンジカもジャパニーズディアーかと思いきや、シカディアー。
つまり鹿鹿ってこと?と思ったら、もう楽しくて “しか”たなくなりました!!
【英語で大事なのはアクセント】
この図鑑は3歳から6歳の子供向けなので、動物の特徴もわかりやすく短めに書かれています。
そしてとても便利なのは、英語も書いてあること。しかも、英語にはカタカナがふってあり、ネイティブの発音に似せています。
例えば、イルカ(dolphin)の場合、日本人が言うとドルフィンですが、この本に書かれているのは「ダルフィン」。
そして、アクセントは太文字になっています。
「ダルフィン」の場合は「ダ」にアクセント。
カニの「クラーブ」だったら、アクセントは「ラ」に置きます。
もし「crab」だけだったら、きっと「ク」にアクセントを置いて「クラブ」と言ってしまい、全然通じないでしょう。
実は海外旅行でいつも困るのが、英語で書かれたメニューの中身がわからないこと。
エビ、イカ、マグロ、タイ、タコぐらいは覚えておきたいし、「かちく(家畜)」として紹介されている生き物も押さえておきたいところです。
こんなふうに小さいころから英語に慣れ親しんでおけば、海外で戸惑うこともないだろうなと思ったら、羨ましくなりました。
もう一つこの図鑑の良いところは、ほどよいサイズ感。縦横とも20センチもないので、子供でも持ちやすいし、めくりやすい。
最初にどんな図鑑を手にするかで、生き物に対する興味の持ち方も変わる気がします。初めて買うのであれば、『はじめてのいきものずかん』をおすすめしたいです。
レビュアー
「関口宏の東京フレンドパーク2」「王様のブランチ」など、バラエティ、ドキュメンタリー、情報番組など多数の番組に放送作家として携わり、ライターとしても雑誌等に執筆。今までにインタビューした有名人は1500人以上。また、京都造形芸術大学非常勤講師として「脚本制作」「ストーリー制作」を担当。東京都千代田区、豊島区、埼玉県志木市主催「小説講座」「コラム講座」講師。雑誌『公募ガイド』「超初心者向け小説講座」(通信教育)講師。現在も、九段生涯学習館で小説サークルを主宰。
公式HPはこちら⇒www.jplanet.jp