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2021.10.17

レビュー

読むと断捨離したくなる! 物が捨てられない「ステラレネーゼ」脱出の極意

実は私は、まだ着られる服が捨てられず、寄付ができる回収期限付き紙袋を購入したのに、気づけば期限切れという“面倒くさがり”です。
そんな私ですら、ひれ伏す強者がいました!!
この本の著者であるイラストレーター・なとみみわさんの散らかしっぷりと片づけエピソードは、とにかく笑えます!!

人生第2章をスタートさせるべく、50歳で1人+犬1匹の暮らしを始めたなとみさん。築24年1DKのお部屋は、憧れの北欧家具に囲まれた快適な生活でしたが、5ヵ月後には……、

ベッドの上はというと……、



“埋葬”とは、うまいこと言うなぁと笑って見ていたのですが、ベッドに寝るスペースがないからリビングに万年床!! には、正直驚きました。

だから訪ねて来た友人からも、「……よくこんなきったない部屋に人を入れられるよね」と言われる始末。

そこで意を決して、どこに片づければいいのかわからないモノが入った「とりあえずBOX」たちを片づけ始めたのですが……、

誰もが陥るこのパターン、あれは「妖怪思い出語り」のせいだったのですね!!
ほかにも、一番使いたいモノを隠す「妖怪モノかくし」や、こんな妖怪も。



そんな時、編集部からなとみさんにお仕事の依頼が来ます。

著作・監修した書籍が国内外累計600万部の大ベストセラーを持つ、「断捨離」の大家・やましたひでこさんを取材して、断捨離マンガを描いて欲しいというのです。

早速、やましたさんの家を訪れた、なとみさん。
「なぜモノを捨てるのにあんなに悩むんでしょう?」と質問をすると、やましたさんからは、こんな明快な答えが返って来ます。

人は「使える」「使えない」のモノ軸で見ちゃうからね

"自分軸"で物事を見られるようになると「考え方」や「人間関係」も、本当に必要なもの以外は手放せるようになるといいます。



私が服を捨てられなかったのも、まさにコレです。まだ着られるんじゃないか、再利用できるんじゃないかと、“もったいない坊や”が付きまとっていたのです。

なんとか部屋を片づけたなとみさんも、洋服には苦戦します。
去年の引っ越しでかなりの服を捨てたにもかかわらず、クローゼットはパンパン。これは収納ラックを買えば片づくのでは?と考えたなとみさんですが、「片づけ=収納」ではないと、やましたさんに言われてしまいます。


 昨年断捨離したから、もう不要な服はないのかしら?

これには、イタイところを突かれた!と思いました。そして、今の自分に相応しい服か、という基準で考えたとき、私もお気に入りの服が処分できました。

最初のうちは、「なぜモノを捨てるだけで幸せになれるのか」と半信半疑だったなとみさんも、自分との対話を繰り返すことで、自分自身を大切にすることができるようになり、何気ない暮らしにも幸せを感じるようになります。

こうして、念願の幸せな生活を手に入れたなとみさんに、思いがけない出来事が起こります。
なんと、大量の荷物と共に、息子が転がり込んで来たのです!!


この息子さんも、なかなかの強者と見た! 自分のモノを捨てるだけでも大変だったのに、人にモノを捨てさせるとなると……。

この本は、単なる片づけのハウツー本ではなく、断捨離に於ける思考の仕方も書かれているところが、ほかとは大きく異なります。
だからこの本を読めば、片づけをしようという気持ちが湧き起こること間違いなし。私自身も、1袋分の服を捨てました。
幸せになりたい人は、ぜひ読んでみて下さい。

レビュアー

黒田順子

「関口宏の東京フレンドパーク2」「王様のブランチ」など、バラエティ、ドキュメンタリー、情報番組など多数の番組に放送作家として携わり、ライターとしても雑誌等に執筆。今までにインタビューした有名人は1500人以上。また、京都造形芸術大学非常勤講師として「脚本制作」「ストーリー制作」を担当。東京都千代田区、豊島区、埼玉県志木市主催「小説講座」「コラム講座」講師。雑誌『公募ガイド』「超初心者向け小説講座」(通信教育)講師。現在も、九段生涯学習館で小説サークルを主宰。

公式HPはこちら⇒www.jplanet.jp

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