昨年発売され、たちまち5万部を突破した第1弾の人気を引き継ぎ、第2弾も発売前から重版、発売後1ヵ月もせずに再び重版と大人気の『エフ漫画 ゴールデンレトリバーのエフとコメとのもっと楽しい暮らし』。
なぜここまで人気なのかが知りたくてページをめくってみたら、まぁ次から次へと可愛いエピソードのオンパレード!! 売れるのも納得です。
中でも私が一番好きなのは、ゴールデンレトリバーならではの特徴がよくわかるこのお話。
耳がピンとした小型犬しか飼ったことがない私からすると、へぇ、そうなんだぁ~という驚きが大きかったのですが、なんと言ってもこのコメの表情がたまらない!!
漫画みたいに吹き出しを付けて喋らせるとしたら……、
「そんなに面白いですか? 別にウケ狙いじゃないんですけど。もういいですかね」とでも言いたげな微妙な表情が、可愛いやら笑えるやら。
どうやらコメは、普段もこんな子らしいのです。
このコメを見ていると、直立不動で写真に写る昔の人みたいで、これまた大爆笑です。
もう何度見ても笑えます。
この本は、漫画だけでなく、そのエピソードに附随する“証拠写真”もセットで載っているのでリアリティがあります。
エフとコメはともにゴールデンレトリバーの女の子ですが、同じ飼い主の元で育ったのに全く違うようです。
我が家で飼っていた“うちの子”も、食べ物が目の前にあっても“よし”と言うまで決して食べないので、頭が良くて私のしつけがいいからだわ!!と内心自慢に思っていたのですが、どうやら関係なさそうです。その子の性格なのだと知りました。
この本にはエフとコメの2匹が出てきますが、エフは2017年に13歳3ヵ月で亡くなっています。
著者はエフのいない寂しさをSNSで見つけた可愛い犬を眺めたり、漫画を描くことで癒していました。
そんなとき、知り合いが飼っているゴールデンレトリバーに抱きつかれ、「ふつふつと沸き起こる犬欲」に抗えなかったと言います。
そして、2018年1月1日に生まれたコメの写真を見せられ、再びゴールデンレトリバーを飼うことになったのです。
この気持ち、わかるなぁと思いました。どうしても前に飼っていた犬と同じ犬種に目がいってしまうのですよね、前の子を思い出しながら。
この本には、夫婦がコメと出会った頃のイラストと写真も載っています。
こんな垂れ目の可愛い子を見てしまったら、連れて帰りたくなるに決まっています。
そして子犬の頃の写真を見ていると、親戚の子の成長を見ているような気分になるから不思議です。
ところが、今のコメはというと……。
どうやらコメは、自分の体が大きくなったことに気づいていないようなのです。しかも、かなりの甘えん坊さん。
そんなコメは、まだ3歳。ということは、これから益々活発に動き回るでしょうし、恋の季節もやって来るでしょう。何より、まだまだ続きが見られるというのがうれしい!!
奇を衒(てら)ったり、ウケを狙ったものではなく、夫婦とコメとのどこにでもある生活が生き生きと描かれている『エフ漫画ゴールデンレトリバーのエフとコメとのもっと楽しい暮らし』。
間違いなく、ほっこり気分になれる本です!!
レビュアー
「関口宏の東京フレンドパーク2」「王様のブランチ」など、バラエティ、ドキュメンタリー、情報番組など多数の番組に放送作家として携わり、ライターとしても雑誌等に執筆。今までにインタビューした有名人は1500人以上。また、京都造形芸術大学非常勤講師として「脚本制作」「ストーリー制作」を担当。東京都千代田区、豊島区、埼玉県志木市主催「小説講座」「コラム講座」講師。雑誌『公募ガイド』「超初心者向け小説講座」(通信教育)講師。現在も、九段生涯学習館で小説サークルを主宰。
公式HPはこちら⇒www.jplanet.jp