YouTuberになって、好きなことをしながら大金持ちになりたい!! そう思っている人は多いのではないでしょうか?
誰でも手軽に動画を上げることができるせいか、これなら出さない方がいいのでは? 逆効果なのでは? と思う動画が多いのも事実です。
この本には、どうすれば収益が上がる良い動画が作れるのかが、マンガやイラストを交えながら非常に詳しく書いてあります。
放送作家として長年番組制作に携わってきた私から見ても、実に理に適った方法だと思いました。私たちが視聴率を上げるためにやってきたことと同じだからです。
さすが、広告収益が推定30億円超えのYouTuber父子が書いた本だけあります。
【視聴回数を増やすにはアナリティクス分析】
チャンネル開設から5年ほどで、登録者数2,670万人超え、最も再生された動画は20億回超えという人気チャンネルになった「Ryan's World(ライアンズ・ワールド)」。
一体どんな番組なのだろうとYouTubeを見てみると、著者であるライアン君と両親が英語で喋りながら遊んでいて、その様子はNHK教育テレビで見た「セサミストリート」のようでした。つまり、テレビ番組そのものなのです。
しかし、彼らがここにたどり着くまでには様々な改良がなされ、一番最初に行ったのは「アナリティクス」の分析でした。
実は私はデジタル系が大の苦手で、セッティング用の説明文を読んでも、そこに出てくるカタカナ用語の意味すらわからず、「もういい!」と諦めてしまうことがよくありました。
でも、この本には画面のどこをクリックすれば「アナリティクス」が出てくるのか、イラスト付きで説明されているので初心者でも迷うことはありません。
【動画編集は最初の5~10秒が勝負】
「アナリティクス」の中にある「視聴者維持率」を分析するうち、ライアンのパパは、あることに気づきます。
ライアンのパパが考えたのは、「クライマックスはアタマに持ってくる」ということでした。
実はこれ、テレビの世界では常識なのです。
バラエティ番組を思い出していただければわかるのですが、番組が始まった途端、賑やかで面白そうな場面がバンバン出て来てくるVTRを見せてから、スタジオに降ります。
私たちはこのVTRを「アバン」と呼んでいて、ここで見た面白い映像を期待した視聴者が、最後まで見てくれるように仕掛を作っているのです。
このことにTouTuber初心者で、建築家だったライアンのパパが早い段階で気づいたのは、さすがだと思いました。
他にも、「絵の仕上がりに一番影響するのは照明」「ひとつのカットでも複数のテイクを撮影しておくこと」などテレビでもやっていることや、動画編集のコツ、初心者が揃えるべき機材なども教えてくれます。
【バズった時の収益化と関連動画】
YouTubeを始めるからには、収益化を目指したいところです。
そのためには直近12ヵ月の総再生時間が4,000時間、登録者数1,000人に達したところで申請する必要があります。
こうなるためには、最初にバズったときの対処が重要で、彼らが初めてバズったときにやったのは、関連動画の研究でした。
YouTubeとテレビの最大の違いは、最終画面に関連動画を表示できることです。
さらに大きな収益を上げるためのブランディングや、ライセンス事業とタイアップなど、ビジネスと結び付けるために彼らは何をやったのかまで紹介されています。
よくここまで惜しみなく教えてくれるなと言うぐらい、この本には何から何まで詳しく書かれています。わずか1,540円でこのノウハウが手に入るなら、断然お得な買い物だと思います!
レビュアー
「関口宏の東京フレンドパーク2」「王様のブランチ」など、バラエティ、ドキュメンタリー、情報番組など多数の番組に放送作家として携わり、ライターとしても雑誌等に執筆。今までにインタビューした有名人は1500人以上。また、京都造形芸術大学非常勤講師として「脚本制作」「ストーリー制作」を担当。東京都千代田区、豊島区、埼玉県志木市主催「小説講座」「コラム講座」講師。雑誌『公募ガイド』「超初心者向け小説講座」(通信教育)講師。現在も、九段生涯学習館で小説サークルを主宰。
公式HPはこちら⇒www.jplanet.jp