■発達障害の治療は? さかもと未明さんが直面した治療の難しさ
40代で「発達障害(アスペルガー症候群、ADHD)」という診断を受けた、漫画家・作家さかもと未明さんは、星野仁彦医師のもと治療を受けます。
発達障害の治療には様々なアプローチがありますが、さかもとさんはまず薬物療法を試してみることに。
アスペルガー症候群は、脳のなかでも報酬系が弱く、ドパミンやノルアドレナリンといった「幸福感」を感じるための成分の分泌が少ないとされます。そこでドパミンに似た成分の薬を処方することによって、症状の改善をはかるのです。
幸い、薬の効果が覿面(てきめん)にあらわれた、さかもとさん。でも、その薬が思わぬ2次障害をもたらします。
ネット上で「炎上」を起こすなど世間を騒がせた「JAL事件」を引き起こしたのも、そんな事情があったのです。治療の難しさです。その人の特性に合わせながら、心理療法やカウンセリングなどを組み合わせながら、家族などの理解とサポートを得ることが大切なのです。
出典元:https://kurashinohon.jp/1093.html
マンガ/さかもと未明
漫画家、作家。1965年神奈川県に生まれる。玉川大学英文科卒業後、商社勤務を経て漫画家に。その後、評論活動やテレビ出演も多くコメンテーターとしても活躍、歌手デビューも果たす。2007年に膠原病と診断され、発達障害だったことも明らかに。著書に『神様は、いじわる』(文春新書)、『どん底力! 失意の底から這い上がるための29の方法。』(マガジンハウス)、『女子のお値段』(小学館)、『まさか発達障害だったなんて 「困った人」と呼ばれ続けて』(PHP新書、星野仁彦氏との共著)、『マンガローマ帝国の歴史』(講談社)など。
『奥さまは発達障害』のほか、料理、美容・健康、ファッション情報など講談社くらしの本からの記事はこちらからも読むことができます。