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2019.04.16

レビュー

【業界のタブーと真実】プロほど保険に入らない! 人生100年時代の新常識

第1子が生まれる前後2015年から、我が家では夫と私の間で保険の論争が続いています。
事の発端は、夫が会社の「保険のお姉さん」から言われるがままに某大手保険会社の医療保険・生命保険に入っていたこと。
これが高かった! 確か毎月2万円以上払っていた気がします。

「子どもが生まれることだし、それ解約して新しく必要なもの、安いものに入り直そうよ。」と私が提案すると、「じゃあ時間のある君がファイナンシャルプランナーさんに話をいろいろ聞いてきてよ。」と言われ、妊娠中にFPさん4人くらいに会って、それぞれから保険のプランを出してもらいました。

そして今まで入っていた保険を解約し、夫が新たに入ったのは
・終身医療保険
・がん保険
以上。

私は「子どもが小さいんだから生命保険に入ってよ」と懇願したのですが、「もったいない。必要あるの?」といまだに入ってもらえず。
夫の兄弟家族からも総出で「生命保険は入れ!」と言われてもまだ入らず。

そんなタイミングで届いた本書、『いらない保険』。
いよいよ決着の時です!!
夫が不要だという生命保険は本当に不要なのか。
そして入り直した医療保険とがん保険はどうなの!?

驚きの結果を順番に見ていきます。


1.最強の保険は健康保険! 民間保険におすすめはない!

本書では、「最強の医療保険があるとしたら健康保険」だと断言しています。

【健康保険が最強の理由①大病でも医療費は300万円、自己負担は65万円以下】
「医療給付実態調査」からわかる「入院1日あたりの平均医療費」と「平均入院日数」を掛け合わせます。そうして算出された平均医療費の中でもっとも金額の大きいものは、75歳以下の脳梗塞で300万円を超えます。
しかし健康保険があるおかげで、最も高い医療費である「65~69歳の脳梗塞での入院」も本人負担は約65万円程度で済むのです。

かなりの拍子抜けです! 高くても65万円?
漠然とイメージしていた金額とかなりかけ離れていることに驚きます。
さらに健康保険が最強の理由があります。それは……

【健康保険が最強の理由②高額療養費制度の効果が大きい】
私は何度も長期入院経験があるので知っているのですが、これを知らない市民は結構多いです!
健康保険の第一のセーフティーネットはもちろん「本人負担が医療費の3割以内で済む」ことですが、第二のセーフティーネットがこれなのです。
ひと月あたりの自己負担限度額が、世帯の所得に応じて決まっているのです。

これらの制度によって、

実は、現役の医師の多くが「どんな病気でも、社会復帰や家庭復帰までの医療費は50万円で済む」と言っています。(中略)民間の医療保険に入らなくても、手元に数十万も用意しておけば、病院の支払いに窮することはありません。あなたの不安を取り除いてくれるのは、民間の医療保険ではなく、誰もが加入している健康保険と常識的な額の預貯金であるということを、どうか忘れないでください。

とのことなのです!

はい、もう忘れられません!
しかしこんなに民間の医療保険にメスを入れて大丈夫なのでしょうか。こちらがドキドキしてしまうほど攻めた内容です……!


2.がん保険・介護保険を疑え!

がんの医療費も飛び抜けて高いと思っていましたが、本書でそれすら間違っていたことを突き付けられます。
肺がんの手術を受けてもたいてい10日~2週間で退院だそうです。そんなに短いのか……。目から鱗。
そして現役世代にとって医療費よりも心配な「収入維持」について。これも「有給休暇」+「傷病手当金」がかなり強力だということ。もし会社をやめても傷病手当金の支給を受け続けることができるのです
確かに1年半もの間、それまでの月給の3分の2が出るというのはかなり大きいです。

そして介護保険。
要介護3以上になる人は70代後半で約3%とのこと。結構少ない!
そして40代50代で民間の介護保険に入ろうかと検討している人々は、実は30~40年後の心配をしていることになります。
さて、その頃に介護保険制度は変わらないのでしょうか?
介護の技術やサービスはどうなっているのでしょうか?
そんな制度も技術も一新しているであろう未来に、今入ろうかと迷っている介護保険はどのくらい役に立つと思いますか?

……なるほど、それならその分を別の資産形成に用いたほうが賢明に思えてきました。役に立たないものに支払うお金なんて謎すぎますよね。


3.結局、保険をどうすればいいの?

本書は貯蓄・運用目的の「個人年金保険」「学資保険」「終身保険」「変額保険」「外貨建て保険」にも容赦なくメスを入れます。そしてそれら保険に勝る運用・資産形成法を具体的に教えてくれます。
この方法が何なのかは読んでみてのお楽しみ!
我が家は1つだけやっていましたが、残り2つは実行していませんでした。すぐに検討します。

そしてこれも非常に役に立ちました。「検討に値する、具体的な民間保険」の商品を紹介しているのです。
ここまで民間保険を散々否定してきた上で紹介される商品です、どれだけ優れている商品なのか。絶対知りたい!
気になる方はぜひお手に取ってお読みください。

ところで冒頭の我が家の「死亡保障に夫が入ってくれない問題」。
これはスパーンと

重要だと思われるのは、現役世代(得に世帯主)の死亡や長期の就業不能状態に備える保険くらいです。


と言うまでもなく必要だと書いてありました。あっさり(笑)。
じゃあせっかく入った医療保険とがん保険ですが見直して、死亡保障に回しましょうね……。ちゃんちゃん。

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人生100年時代に生きる我々。今入っている保険が30年、40年、50年後に本当に頼りになるのか、再考してみませんか?
そして保険よりも資産形成を。
長寿時代の新常識がここに書かれています!

レビュアー

野本紗紀恵 イメージ
野本紗紀恵

一級建築士でありながらイラストレーター・占い師・芸能・各種バイトなど、職歴がおかしい1978年千葉県生まれ。趣味は音楽・絵画・書道・舞台などの芸術全般。某高IQ団体会員。今一番面白いことは子育て。

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