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2019.03.21

特集

老後の不安が軽くなる「iDeCo」のすごすぎる節税効果とは?【女子のお金入門】①

老後なんて遠い先のことだったのに、年を重ねるにつれ自分ごととしてリアルに感じ始めるように……。世間では、これからは人生100年時代になるなんて言われているし、定年後の生活はずいぶん長く続くかもしれない。そのとき、私にお金はあるの? 今と同じような暮らしはできるの? そんな不安にふと襲われること、ありますよね。

なのに、「お金の勉強苦手」「投資とかこわい」「忙しくて時間がない」など、お金を増やすための一歩が踏み出せない人も多いのではないでしょうか。

そんな人たちが、難しい勉強をする必要もなく、家でカンタンにできて、ちゃんと老後のお金が準備できる方法があるとしたら? ファイナンシャルプランナーの荒木千秋さんが、「お客様にも友達にも家族にも『この方法を知っていれば、絶対トクをするから!』と胸を張って言えます」とおすすめする「iDeCo(イデコ)=個人型確定拠出年金」、その魅力について教えてもらいました!

ファイナンシャルプランナー 荒木千秋さん

荒木FP事務所代表。大阪電気通信大学金融経済学部特任講師。女性を主な対象としたお金に関する個別相談やweb媒体の執筆、セミナーの開催など、幅広く活動。初の著書『「不安なのにな~んにもしてない」女子のお金入門』(講談社)が3月に発売。

年金を積み立てることで、節税もできてしまうところがiDeCoの魅力

個人型確定拠出年金、通称iDeCoは、公的年金とは別に、自分で60歳まで年金を積み立てて、そのお金を定期預金や投資信託などで運用する制度です。年金額は、運用の成果と連動しているため、受け取るときに決定します。

iDeCoの仕組み。将来受け取る年金は、積み立てた金額と運用成果(波線部分)で決定します。 (図/荒木千秋)

積み立てたお金は60歳になるまで引き出すことはできませんし、手数料もかかります。だとしても、正直、iDeCoはおいしい! 何が魅力かというと、その“節税効果”なんです。

年金として拠出した掛け金は、全額「所得控除」の対象になります。所得控除の対象になることで、所得税と翌年の住民税が軽減されるのです。このメリットは、他の制度と比較できないほど魅力的です。

自分が節税できる金額をチェック!

企業年金のない会社員の場合、iDeCoの毎月の掛け金の上限は23,000円なのですが、もしその金額を積み立てた場合、節税できる金額を見てみましょう。

年収300万円~400万円 → 年間節税額41,400円

年収500万円~600万円 → 年間節税額55,200円

年収700万円~1000万円 → 年間節税額82,800円

(*扶養家族なしの会社員の場合。iDeCo公式サイト「かんたん税制優遇シミュレーション」で計算)

これって、積み立てた年金とは別に、60歳まで毎年この金額トクをするということなんですよ。

国民年金基金連合会が運営しているiDeCo公式サイトでは、「かんたん税制優遇シミュレーション」があって、「年収・年齢・掛け金」を入力するだけで、一人一人の所得税と住民税がどれだけ軽減できるのか、今の年齢から60歳まで加入するといくら積み立てることができるのかが、ひと目でわかるようになっています。これを見たら「やるっきゃない!」と決意してしまうサイトです。ぜひチェックしてみてください。

iDeCo公式サイト「かんたん税制優遇シミュレーション」
https://www.ideco-koushiki.jp/simulation/

運用商品の売買にも年金の受け取りにも、税金がかからない!

iDeCoでは投資信託などの金融商品を運用する場合に、それを売り買いしたときにもメリットがあります。普通、金融商品の売買には、利益分に対して20.315%の税金がかかります。それが、iDeCoだと利益が出ても税金がかかりません。そのため、効率よく運用ができるんです。

たとえば、一般の運用では1万円の利益に対して、およそ2,000円の税金がかかり、手元に残るのが8,000円。一方で、iDeCoは非課税なので2,000円の税金がかからず、1万円がまるまる手元に残ります。

運用して20%増やすにはそれなりのリスクをとらないといけませんが、税金の制度を生かせばリスクなしで20%、手にしているのと同じことだと言えます。

60歳を過ぎて年金を受け取るときにもいいことが。通常は、お金を受け取ると“一時所得”や“雑所得”として税金の対象になります。iDeCoは、一時金として一括で受け取る場合は「退職所得控除」、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」という税金の仕組みを利用することができます。国が作ったこの魅力的な税金の制度、iDeCo。ぜひ、利用してみてくださいね。

本書では、iDeCoの詳しいやり方を紹介しています!

出典元:https://kurashinohon.jp/1023.html

荒木千秋(あらき・ちあき) イメージ
荒木千秋(あらき・ちあき)

荒木FP事務所代表。ファイナンシャルプランナー。大阪電気通信大学金融経済学部特任講師。1983年生まれ。三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行(現三菱UFJ銀行)に勤務し、個人の富裕層や法人オーナーが対象の投資相談業務に従事。が、同年代の働く女性たちと話す中で、これからの女性が人生を楽しむためには「投資」との付き合い方を変えなければならないと確信し、ファイナンシャルプランナーとして独立。同年代の女性を主な対象としたお金に関する個別相談や、web媒体の執筆、セミナーの開催など、幅広く活動している。

『「不安なのにな~んにもしてない」女子のお金入門』のほか、料理、美容・健康、ファッション情報など講談社くらしの本からの記事はこちらからも読むことができます。

講談社くらしの本はこちら

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