■リラックスしたい心のサイン!? スナック菓子の食べ過ぎは簡単にやめられる!
「食べ過ぎ」と聞いて、ドキッとする方はきっと多いはずです。「口寂しくてチョコやお菓子をしょっちゅう口にしてしまう」「ポテトチップスを開けたら、袋が空になるまで食べきってしまう」こんなふうに、つい食べ過ぎて後悔した――という経験がない人は、おそらくいないのではないでしょうか。わかってはいるけど食べ過ぎてしまう、やめられない、止まらない、それはどうしてなのでしょう?
肥満専門外来で約20年間肥満患者の減量指導にあたっていた、岡嵜順子先生の著書『なぜあなたは食べ過ぎてしまうのか 成功率9割以上の肥満専門外来が教えるダイエットの心理学』からその事例と解決策を紹介します。
お悩み
やめられない、止まらない!
ポテトチップスなどスナック菓子を開けたら最後、空になるまで食べてしまいます。(女性・29歳)
ポテトチップスのパリパリとした食感と、絶妙な塩加減。何とも言えず後を引きますよね。開けたら最後、空になるまで食べ続けてしまう気持ちはよくわかります。でも食べ過ぎてしまうのは「好物」という理由だけではない場合もあるのです。
パソコン関係の仕事をしているHさん(女性)は、仕事柄1日中誰ともしゃべらず、黙々と作業をすることが多いそう。「仕事が立て込んでくると、なぜだか無性にポテトチップスが食べたくなるんです。味も好きなんですが、それ以上にあのパリパリ感が欲しくてたまらなくなるんですよね。食感が心地よくて、つい食べ続けてしまうんですけど……私って何かおかしいんでしょうか?」
いいえ、ちっともおかしくありません。実は噛むことは、とても“快感”なんです。人はイライラしていると、知らないうちにかなりの力で奥歯を噛みしめてしまいます。Hさんの場合、細かい作業をしているので、緊張も強いのではないでしょうか。人と話す機会も少ないようですから、気分転換もしにくい状態かもしれません。つまりパリパリ感を求めるのは、リラックスしたいというHさんの心のサインなんですね。患者さんの話を聞くと、スナック菓子に手を伸ばしてしまうときは、イライラしているときが多いことがわかります。
また、ポテトチップスなどのスナック菓子が“やめられない、止まらない”のは、「パリ、パリ、ゴクッ」「パリ、パリ、ゴクッ」と数回噛むだけでリズミカルに飲み込める大きさ、というのも関係しているようです。軽快なリズムでポイポイ口に放り込んでいたら、1袋なんてあっという間。イライラはおさまっても、カロリーオーバーは確実です。
この緊張感を解放してあげるには、噛んで口を動かすことが一番。噛むという行為をしながら食べ過ぎないですむ折衷案を考えて、上手に“噛む快感”を自分に与えましょう。
解決方法
A.少量ずつ食べて、残りは目の届かないところにしまう
意志の強い人は、少量食べを。小皿に少量だけ取り出し、残りはすぐに封をして見えないところへしまいます。見えるところに置いておくと、すぐに手が伸びてしまいますが、わざわざ立ち上がって取りにいかなければならないところ(例えば、踏み台に乗らないと届かない戸棚など)に置いておけば、面倒くさくて「もういいや」と思えるものです。袋の口をきっちり留め、密閉できる保存袋に入れて冷凍庫にしまっておけば、湿気るのを防ぐことができるのでオススメです。
B.嗜好品の買い置きはほどほどに。買うなら小さいパックを
どうしてもスナック菓子が食べたいなら、小さめの袋を選びましょう。大袋は1袋で500キロカロリー超。小袋は300キロカロリー程度です。ただしくれぐれも買い置きはしないこと。
C.スナックに代わる「やみつき食品」を選ぶ
油脂や甘みは、生きていくうえで活動の基になるカロリーを用意に摂取しやすいので、ついクセになってしまいます。同じやみつきになる食品でも、大量に摂取しにくいものを選びましょう。出汁の利いた汁物に含まれている、イノシン酸やグルタミン酸、アミノ酸は、脳にβ-エンドルフィンを分泌させ、鎮静効果と多幸感を与えます。その結果、やみつきになりやすく、飲んだ後の満足感が高くなります。ですので、生野菜やガムでは物足りない、という方には出汁の利いた汁物の方がオススメです。温かい汁物は体を芯から温めてくれ、リラックス効果もあります。しかもカロリー少なめ、一気にがぶ飲みもできません。インスタントのカップスープでも構いません。無性にポテトチップスを食べたくなったら、温かい汁物で、ホッとひと息つきましょう。
“食べ過ぎ”を改善するには、まず、食べ過ぎてしまう原因に気づくこと。そして自分にピッタリの解決方法を見つける。そして、行動をほんのちょっとだけ変える。それだけで、あなたの食べ過ぎは必ずやめられます。無理なく、楽しく、心地よく! 食べる喜びを味わいながら、太らない身体と習慣を作りましょう。